台湾の国防部は1月24日、敵のレーダーや通信機器を無力化する電子戦に対応する中国軍の新型戦闘機「殲16D」など延べ13機が台湾の防空識別圏に侵入したと発表。前日の23日には、中国軍の軍用機39機が防空識別圏に侵入し、台湾軍機が緊急発進したと発表するなど、中国の軍事圧力が連日のように続いている。
このような中で、台北市が上海市との交流を目的とした「台北上海都市フォーラム」を開催することは不可解として、フォーラム開催前に中国による軍事圧力が続いた場合は予算を凍結することを与野党が合意したという。
覇権的行動を繰り返す中国を抑制させるための措置だが、当然のことであろう。
ちなみに、昨年12月1日にオンラインで開かれた「台北上海都市フォーラム」で、上海市長は「両岸の同胞は共に中国人」だと述べ、「両岸は一つの家族」とする立場を改めて表明し、台北市長は「交流は断絶に、対話は対抗に、友好は仇に勝る」と述べたと中央通信社は伝えていた。中国側の政治的主張を拡散する場ともなっているようで、台北市側が中国にすり寄っていっている印象は否めない。
—————————————————————————————–台北市と上海市の交流、中国が軍事圧力なら「予算凍結」【中央通信社:2022年1月25日】https://japan.focustaiwan.tw/cross-strait/202201250004
(台北中央社)台北市議会で24日、台北市政府の今年度の総予算を巡る政党間協議が行われた。中国・上海市との交流を目的とした「台北上海都市フォーラム」の予算について、中国からの軍事圧力が続いた場合、予算を凍結することで一致した。
同フォーラムは2010年に初開催されて以来、毎年両市が交互に主催。新型コロナウイルス流行下にあった2020年と2021年はオンライン形式で開かれた。
今年度の予算案で、同フォーラムについては130万台湾元(約530万円)余りの予算が組まれた。政党間協議で、同項目の削除を求めた民進党などは国民党などと対立。民進党が妥協案として、フォーラム開催前に中国による軍事圧力が続いた場合、予算を凍結するとのただし書きを加えることを提案し、国民党などの賛同を得た。
(黄麗芸/編集:楊千慧)
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