http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170529/
5月28日夜、台湾紙・自由時報ウェブ版が速報で報じたところによると、八田與一銅像頭部切断
事件を自首し、送検された元台北市議会議員の李承龍と、その内縁の妻とされる邱晉●が昨夜再び
凶行に及んだ。(●=草冠の下に尹)
2人は28日午後8時すぎ、台北市北投の逸仙国小(小学校)の校門に置かれた日本統治時代の狛犬
を金づちで破壊しているところを住民に発見され、通報によって駆けつけた警察官によってその場
で現行犯逮捕された。なお、破壊後に駆けつけた警察官とやり取りする様子を、邱晉芛がFacebook
を通じてライブ中継するなど、より悪質性の高い犯行だった。
台北市逸仙国小は、日本統治時代の北投神社の跡地にあり、運動場の掲揚台付近が本殿だったと
される。
約10年前に小学校の整備が進められた際、庭から北投神社に置かれていたものと思われる狛犬が
掘り出され、校門に置かれることとなった。狛犬は3年前に補修を施し、教師や児童からは「学校
を守ってくれる狛犬」と親しまれていた。
逮捕された2人は当初、付近の派出所に連行された後、警察署に連行。メディアに「なぜ北投国
小の狛犬を狙ったのか」という問いには答えなかった。しかし、犯行直後の様子を共犯の邱晉芛が
撮影した映像を掲載したFacebook上には「日本統治時代の残滓を払拭する」などと書き込まれてお
り、八田銅像損壊と同目的のために犯行に及んだとみられている。
狛犬は足の部分が大きく破壊されるなど、破損の度合いは小さくないと思われる。
◇ ◇ ◇
【続報】狛犬破壊の李承龍ら、保釈金わずか5万元が払えず収監へ 柯文哲・台北市長も激怒
【本会ホームページ「お知らせ」:2017年5月29日】
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170529-01/
八田與一銅像頭部切断事件の犯人2人が、昨夜またも台北市北投の小学校に置かれていた日本統
治時代の狛犬を損壊した事件はテレビのニュースなどでも大きく扱われた。
台湾メディアの報道などによると、被害を受けた逸仙国小(小学校)は、李承龍(元台北市議会
議員)とその内縁の妻とされる邱晉●の2人を告訴。警察は2人の身柄を台北市の士林地検に送致し
た。検察官は取り調べ後、2人にそれぞれ保釈金5万元(約18万円)による保釈を認めた。しかし、
2人とも保釈金が支払えず、検察は裁判所に二人の収監を申請、士林地方法院(地裁)は今夜、2人
の収監を認めた。(●=草冠の下に尹)
報道によると、裁判所は容疑者の李承龍らが、保釈金を支払えないうえ、先月にも台南市の烏山
頭ダムのほとりに置かれた八田與一銅像損壊事件を起こして送検されており、法を無視した再犯の
恐れが高く、逃亡の恐れもあることから収監を認めたという。
学校側は狛犬の修理につき、3年前に片方の狛犬の補修を施した際、耳と尾の補修だけで6万元の
費用を要しており、今回は一対の修理となるうえ、耳や尾の破壊だけでなく足部分もひどく破損さ
れるなど状況もひどいことから、少なくとも10万元以上の修理費用がかかるだろうと話している。
この事件に対しては、柯文哲・台北市長もメディアの質問に「関連する部局に対し、厳格な対処
をするよう特に指示した」と憤慨するとともに、「わざわざ対立の火種を作ることは非常に許せな
い。台湾を取り巻く状況は国内外ともに逼迫しており、団結しようなどというのはもはや手遅れ
だ」などと話した。
台湾政府高官は「触らぬ神に祟りなし」を決め込んだのか、蔡英文総統以下、この事件について
のコメントを避けた。