中川昭一政調会長が陳水扁総統と異例のテレビ会談

中川政調会長が「台湾海峡の平和と安定は日本にとっても大事」との認識を示す

 昨日(10月30日)午前、自民党の中川昭一政調会長や平沼赳夫・日華議員懇談会会長ら
が東京都内のホテルで台湾の陳水扁総統とテレビ会談し、台湾海峡問題やFTA問題、北
朝鮮に対する経済制裁などについて意見交換した。

 与党である自民党の政策責任者がテレビ会議方式とはいえ、台湾の現職総統と直接対話
するのはきわめて珍しいが、その実現を素直に喜びたい。

 この中で、中川政調会長は「台湾海峡の平和と安定は日本にとっても世界にとっても大
事だ。われわれも積極的な関心を持っていかなければならない」「中国には軍事力増強に
ついて説明を求めなくてはならない」と述べ、中国へ毅然と対応することで台湾海峡の安
定に積極的に関与してゆく姿勢を明らかにした。

 一方、陳水扁総統は新憲法制定について「来年に新しい憲法制定に向けて新しい仕事が
できる」と抱負を述べ、日本版台湾関係法の制定を要望した。

 以下に昨日付の産経新聞Web版、読売新聞夕刊、そして今朝の産経新聞朝刊の各記事を紹
介したい。

 また、TBSが昨日報道したニュースでこれを伝え、動画でも見ることができるので、
これも併せて紹介したい。画面が開いたら、左下にある10月30日付のニュースをクリック
し、次に「中川政調会長、台湾総統とテレビ会談」の項目をクリックすれば見られます。
                                   (編集部)

■TBSニュース http://news.tbs.co.jp/


中川政調会長、台湾総統とテレビ会談
【10月30日 TBSニュース】

 自民党の中川昭一政調会長が、台湾の陳水扁総統とテレビを通じた会議の形で会談し、
中国の軍事費拡大に懸念を示す立場で一致しました。「(中国は)なぜ年間十数%の軍備
力を増強する必要があるのか、我々には理解できない」(自民党 中川昭一 政調会長)

 テレビ会議では、中川氏がこのように述べたのに対し、陳総統も中国軍の近代化に懸念
を示すと共に、台湾に対する武力侵攻の可能性を捨てていないと非難しました。

 テレビ会議には台湾との交流に積極的な与野党の議員らが参加しましたが、与党の政策
責任者がテレビ会議方式とはいえ、台湾の現職の総統と直接対話するのは異例で、中国政
府から反発が出る可能性もあります。

http://news.tbs.co.jp/


陳台湾総統、「日本版台湾関係法の制定を」
【10月30日 産経新聞Web版】

 台湾の陳水扁総統は30日午前、自民党の中川昭一政調会長らとテレビ会談した。陳総統
は、米国の台湾防衛の根拠法で、台湾への米国製武器の供与も定めている米国の台湾関係
法を挙げて、「日本版の台湾関係法が制定されればアジア太平洋の平和と安定に大きく寄
与する」と述べた。

 また、陳総統は日本と台湾の経済関係について「まず投資保障協定を締結し、EPA(
経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)につなげていきたい」と述べ、連携強化に期待
感を表明した。

 中川氏は「台湾海峡の平和と安定は日本にとっても世界にとっても大事だ。われわれも
積極的な関心を持っていかなければならない」と述べた。

 会談は早稲田大学台湾研究所(西川潤所長)が主催した。台湾の総統府と都内のホテル
を回線で結び、日本側からは日華議員懇談会会長の平沼赳夫元経済産業相、民主党の池田
元久日本・台湾友好議員懇談会会長らも出席した。


台湾海峡の問題 日米台で協議を 陳総統
【10月30日 読売新聞夕刊】

 自民党の中川政調会長は30日、都内のホテルで、台湾の陳水扁総統とテレビ会談を行っ
た。陳総統は「北朝鮮問題で6か国協議があるように、台湾海峡の問題についても日米台
による対話の枠組みがあればいい」と述べた。また、日台間の安保対話構築の必要性も強
調した。中川政調会長は「台湾海峡の平和と安定は日本にとっても大事だ。中国には軍事
力増強について説明を求めなくてはならない」と述べた。


台湾総統、北制裁を明言
【10月31日 産経新聞】

 台湾の陳水扁総統は30日、台北の総統府と東京都内のホテルを回線でつないでテレビ会
議を行い、自民党の中川昭一政調会長らと会談した。核実験を強行した北朝鮮に対する国
連安全保障理事会の制裁決議に関し「台湾は国連加盟国ではないが、日米と同じ民主主義
陣営として北朝鮮に金融制裁や輸出規制などの措置をとっている」と述べた。台湾の最高
指導者が北朝鮮への制裁実施を明言したのは初めて。

 陳総統が2008年実施を公約に掲げた台湾の憲法改正については「年末の台北、高雄の両
市長選挙が終わった後、来年に新しい憲法制定に向けて新しい仕事ができると思っている
」と改正に向けて強い意欲をみせた。


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