した。中国は台湾を創設メンバーとして認めない理由を明らかにしていないが、「台湾が適当な名
義で参加することを歓迎する」としている。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「これは『チャイニーズ・タイペイ(中華台北、または中
国台北)』の名称でAIIB参加を目指した台湾の要求が実質的に認められなかったことになる」
と解説している。
それにしても、中国の王毅・外交部長は先に台湾の参加名称について「アジア太平洋経済協力」
(APEC)および「世界貿易機関」(WTO)加盟の際にはいずれも「中華台北(チャイニー
ズ・タイペイ)」の名義であり、「これは関係各方面が比較的受け入れることのできる方法であろ
う」と述べていた。それにもかかわらず、中国は中華台北(チャイニーズ・タイペイ)でも認めな
かったことになる。
馬英九総統はこれまで「チャイニーズ・タイペイ」が最低ラインだと繰り返し強調し、台湾の尊
厳を損なう名称なら参加を取り下げる意向を示してきた。毎日新聞は「台湾総統府はAIIB参加
が台湾に『利点がある』としつつも『尊厳と平等』が保てないなら参加はしないとの立場を改めて
表明した」と伝えるとともに、行政院が「中国側が創設メンバーになれなくても、メンバーになる
妨げにはならないと述べているとして『今後の動向を注視する』との見解を示した」とも伝える。
台湾が「中華民国」を名乗り、現在の中華民国憲法を使っている限り、中国は亡命政権としかみ
なさない。中国にいつまでも「中華人民共和国の領土の不可分の一部」と言わしめる最大の原因と
なっている。今回のような「騙し討ち」のような仕打ちも受ける。
台湾の人々の意志により、国名が正名されなければならない所以だ。
アジア投資銀:中国「台湾は創設メンバーにならない」
【毎日新聞:2015年4月14日】
【台北・鈴木玲子】中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への台湾の参加申請に
ついて、中国の対台湾政策を主管する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は13日、台湾は「創設
メンバー」にならないとの見解を発表した。ただ「台湾が適当な名義で参加することを歓迎する」
との方針を改めて示した。
AIIBを巡っては、3月末までに参加を申請すれば仕組み作りに関与できる「創設メンバー」
になれるため、駆け込み表明が相次いだ。台湾も国際社会での地位向上を目指して3月31日に参加
を申請した。ただ中国は台湾の主権を認めておらず、名称や資格が課題となっている。馬報道官は
「今後の設立協議で台湾の参加について前向きに話し合われ、適当な名称と参加の方法を探ること
ができるだろう」と述べた。
これを受け、台湾総統府はAIIB参加が台湾に「利点がある」としつつも「尊厳と平等」が保
てないなら参加はしないとの立場を改めて表明した。また行政院(政府)は談話で「遺憾」としな
がらも、中国側が創設メンバーになれなくても、メンバーになる妨げにはならないと述べていると
して「今後の動向を注視する」との見解を示した。