として活躍している一青妙(ひとと・たえ)さんを講師に東京・有楽町の糖業会館で講演
会を開催した。
会場は100人以上が詰めかけ、補助椅子が出されるほどの満堂。台湾協会の根井洌(ね
い・きよし)理事長や斎藤毅(さいとう・つよし)前理事長、台北駐日経済文化代表処の
林文通・教育部長、本会関係者も石川公弘(いしかわ・きみひろ)常務理事など数多く参
加していた。講演の模様を「台湾週報」が報じているので下記にご紹介したい。
なお、一青妙さんの著書『私の箱子(シャンズ)』と『ママ、ごはんまだ?』は、いず
れも本誌で紹介している。一青さんは講演で「私は日本と台湾のハーフです」と堂々と言
えるようになった過程について話されたが、この2冊の著書には、台湾アイデンティティー
を失いたくないと思うようになった道筋が描かれている。逆に言えば、どうすれば台湾ア
イデンティティーを自らのものにできるかという道筋であり、それは台湾のたどっている
道筋にも見える。一読を勧める所以だ。
◆【良書紹介】 日台関係とよく似た家族 ─ 一青妙著『私の箱子(シャンズ)』[2012/02/14] http://melma.com/backnumber_100557_5491223/
◆【良書紹介】 読者も 母への思いが募る ─ 一青妙『ママ、ごはんまだ?』[2013/9/25] http://melma.com/backnumber_100557_5899857/
一青妙さんが東京台湾の会で講演、台湾の父の足跡たどる旅を語る
【台湾週報:2013年10月25日】
歯科医、女優、エッセイスト、ナレーターとして多彩に活躍している一青妙さんが10月
25日、東京・有楽町で開催された「東京台湾の会」で「私の台湾アイデンティティーにつ
いて」をテーマに講演した。
台湾人の父と日本人の母の間に生まれた一青妙さんは、講演のなかで、幼い頃を台湾の
基隆で過ごし、11歳から日本に住むようになり、14歳のときに父を病気で亡くしてから
は、台湾とのかかわりが薄くなっていたが、あるきっかけで自身の「台湾アイデンティテ
ィー」を意識し始めたことを話した。
そのきっかけとは、東京の実家を建て替える際に整理して出てきた「箱」であり、その
「箱」のなかに父と母が残した写真、手紙、メモが詰まっていたことから、一青妙さんは
改めて台湾人の父の足跡を探す旅に出た。
そして改めて父の人生を知るとともに、台湾を一周して台湾には多様性のある文化と豊
かな自然があることを実感し、「私は日本と台湾のハーフです」と堂々と言えるようにな
った。
一青妙さんは、「台湾アイデンティティーを失いたくないと強く思うようになったの
は、台湾と日本をつなぐ人々の存在を知ったからだ」と強調し、最後に「私のなかの台湾
アイデンティティーを大切にすることが早くに亡くなった父への孝行になると信じてい
る」と述べ、いま再び台日間の交流が活発化して関係がますます近づいていることに喜び
を示した。
懇親会で挨拶した台北駐日経済文化代表処の林文通・教育組長(部長)は、台湾と日本
の民間交流を進めている関係者らに感謝の意を表し、双方の友好関係がますます緊密にな
るよう期待を示した。