一方、パラオ共和国と国交を結んでいる台湾は、毎週2便の定期直行便に加え、6月から8月までの期間はさらに週2便追加し、台湾とパラオの直行便を週4便体制になっているという。下記に「Taiwan Today」の報道をご紹介したい。
なお、日本の成田空港とパラオの直行定期便を運航していた米のデルタ航空は利用客の減少を理由に今年5月に運航を停止しているが、復活の動きはないようだ。世界でも台湾と一、二を競う親日国のパラオ共和国との間に直行便がないのはやはりさびしい。
————————————————————————————-外交部、パラオ直行便追加でパラオの観光産業支える【Taiwan Today:2018年7月19日】
外交部(日本の外務省に相当)は18日、外国人観光客の分散化を目指すパラオ共和国の政策に呼応するため、台湾に本社を置く航空会社が6月から8月までの期間、台湾とパラオを結ぶ直行便を週2便追加していることを明らかにした。中華民国(台湾)とパラオ共和国は1999年12月に国交関係を樹立した。外交部は、相互協力、相互利益の新たな外交モデルである「堅実外交」に基づき、国交樹立国の経済発展を助けることは、台湾とパラオの二国間協力の重要な一環だとしている。
パラオのレメンゲサウ大統領は、パラオを訪れる外国人観光客の分散化に期待を寄せ、それを重点政策の一つに掲げている。外交部はこの政策に呼応し、パラオにより多くの外国人観光客を運ぶため、台湾に本社を置く航空会社に対し、毎週2便の定期直行便に加え、6月から8月までの期間はさらに週2便追加し、台湾とパラオの直行便を週4便体制で運航するよう求めている。外交部はまた、各国の観光客がこの路線を活用してパラオを訪れ、豊富な海洋資源と観光を楽しんで欲しいと呼びかけている。
パラオのメディア『アイランド・タイムズ』によると、パラオ・パシフィック航空とシーパッションホテル(Sea Passion Hotel)を運営するシーパッショングループは先日、中国大陸との間で唯一運航していたコロール・香港路線の運航停止計画をパラオ国会に提出した。財政赤字の拡大がその理由。
中国当局は昨年11月、パラオが台湾との国交関係を維持していることを理由に、国内の旅行社に対して、パラオ行きの航空券の取り扱いを停止するよう指示。2017年第4半期は、パラオを訪れる中国人観光客が前年同期比16%減少した。
シーパッショングループによると、中国からの観光客はその後も減少の一途をたどっており、傘下のパラオ・パシフィック航空とシーパッションホテルはいずれも今年7月から8月の利用客がほとんどいない状況。パラオ・パシフィック航空は2014年から、パラオ最大の都市コロールと中国大陸の香港を結ぶ路線を運航していた。
パラオ・パシフィック航空による中国路線停止に先立ち、米デルタ航空も今年5月、日本(成田)とパラオの直行定期便の運航を停止した。デルタ航空は、需要の低下が原因と説明している。