【追悼】李清興さん 千の風になった李清興さん[冨澤 賢公]

千の風になった李清興さん

                              千葉県 冨澤 賢公

 今回、第9回李登輝学校研修団の一員として参加し、3日目の5月25日の朝、李清興さ
んの訃報に接した。ただただ、驚き、言葉も無かった。

 あの、人なつっこく、にこにこしたお顔と、関西訛りのある流暢な日本語が脳裏に浮
かぶ。

 氏の仕事に対する情熱、誠意、優しさは、接した人なら皆、共感をおぼえるだろう。
日本と台湾の交流のため、李清興さんは大きな功績を残した。

 年齢は小生と同じである。いままで、台湾で、日本でお世話になったことは数知れな
い。同じように、お世話になった方は多いと思う。

 だが李清興さんは、「死んでなんかいません」

 お付き合いいただいたそれぞれの人々の心の中で永遠に生きている。

 李清興さんは、今回の李登輝学校最終日に、李登輝校長の、ご講義だけは病を押して
出席されることになっていた。

 私たちもそれを楽しみにしていた。

 しかしその前日の悲しい知らせに、李清興さんも楽しみにしていたはずなのにどうし
て、という深い悲しみに教室は包まれた。

 教室の机の上には李清興さんの名札が置いてあった。しかし、そこには「千の風」に
なった李清興さんがきっといたはずである。

 李登輝校長の講義を楽しみに、学友との再会を楽しみにしていた李清興さんが「千の
風」になって教室の中を吹き渡っていたに違いない。

 李清興さんの机の上には、日本から持参した「千の風になって」の歌詞を置いた。

 この歌は、李登輝校長ご夫妻が大変好んで歌われる、歌である。

 第8回李登輝学校で、李登輝先生と一緒に合唱したこともあり、今回も修業式のあと
の昼食会で歌えたらと思って用意をしていたものである。

 それがこのような結果になろうとは、誰が思っただろうか。

 今は、ただただ、李清興さんのご冥福を心よりお祈り申し上げるだけである。

 李清興さん、日本と台湾の空を「千の風になって」吹き渡ってください。

 どうか、その行方を、私たちを、あの優しいまなざしと、笑顔で見守ってください。
 
 合掌                              (5月27日)



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