東京とさして変わらなく、駅から30分程、善光寺への道すがら、歩いていると汗ばむほど
でした。
新幹線の車窓から見る雪をいただいた浅間山にはなぜか涙が出る思いでした。まわりの
低い山々は、紅葉も終え、やがてやって来る厳しい冬に備えて一時の静寂を保っていると
いった趣でした。
北国で青春時代を過ごした小生にとってその景色は懐かしくもあり、寂しくもある情景
であります。
さて、今回の念願の「善光寺参り」の目的は二つありました。
一つは、日本人として生まれた小生の人生節目としての還暦祈願参りでした。
もう一つは、先般の北京五輪の聖火リレーの採火式を辞退した善光寺に対しての御礼参
りでありました。
善光寺に対して電話とハガキで、採火式を辞退していただくように要請した人間の一人
として、その願いを受け入れてくれたことに対しての、ささやかながらの御礼参りでした。
あれだけの騒ぎを起こしたのは彼の国の集団ではありましたが、それに対峙した日本側の
面々も、別な意味での責任があると思い、協力していただいた長野市民、善光寺関係者に
対して感謝の念を示さなければと思った訳であります。
このことは、以前に小生がメルマガ「日台共栄」の「読者の声」で申し上げたことでも
ありました。
日本中、何処の地方都市に行っても、昔ほどの人通りも無くなったように、この長野市
も例にたがわず県庁所在地にしては閑散としていました。小生はそのときは来られません
でしたが、この静かな門前町で、あの騒動が起こったなんて想像もできませんでした。
さて、祈願申込所の受付の方と、本堂のお坊様に、お礼参りの訳をお話ししましたとこ
ろ、あの騒動の後の反響が大きかったとのことでありました。
それは、よくぞ、聖火採火式を御辞退なさったとの賞賛の声が多く、また、若い方とチ
ベットの方のお礼参りが列を成したとのことでありました。
あれだけの騒動を起こしたことに対しては、結果的には善光寺の取った態度はまさに適
切だったのでありました。長野市民にとっては大迷惑だったのですが、あの狭い参道で、
あの赤い旗の集団が騒ぎを起こしていたらと思うと、いまさらながらに鳥肌が立つ思いで
ありました。
話は変わりますが、実は小生は「浄土」の「傍」の生まれなのであります。
浄土と言ってもリアス式海岸で有名な岩手県宮古市にある浜で、その昔、ある高僧が、
その白砂青松と、浜に立ち並ぶこの世とは思われない美しい岩の姿を見てつけた「浄土ヶ
浜」という名前の浜の近くで生まれたのであります。
この世に生を享けて、60年、浄土宗と天台宗が共同護持をしている善光寺に還暦祈願の
お参りができたことは、この世の輪廻というものを感じる次第でありました。
また、同じ天台宗でも、中国の圧力で李登輝台湾総統の歓迎を拒否した中尊寺(これも
私の地元です)とは、その姿勢は天と地の違いでした。
李登輝先生は、奥の細道の旅で日本の自然と山々のきれいに植林され木々と、文化を絶
賛されました。日本の四季は、それぞれに趣きを変え、人々に故里に対する懐かしさと豊
かさを与え、日本の文化を育んできました。
今回の信州長野の旅で、改めて、この国は我々日本人のものだ、決して他国に渡しては
ならないのだと、思った次第であります。
善光寺の本堂の床下の暗闇の回廊巡り「お戒壇巡り」をまだ経験の無い方は是非ともお
勧めいたします。暗闇の回廊の中で本尊に繋がれた「極楽の錠前」にふれると極楽往生が
約束されるといいます。
小生は、あまりの真っ暗闇に対する恐怖のため前に進むのが精一杯で、錠前の事は、す
っかり忘れていました。まだまだ修行が足りないと反省しきりでありました。
まさに手探り状態、「一寸先は闇」とはこのことかと思い、李登輝先生が先ごろおっし
ゃった「現在の台湾は五里霧中」に通ずると思った次第であります。
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