【読後感】李登輝氏と台湾への理解は確実に深まる [東京 伊藤 英樹]

『李登輝訪日・日本国へのメッセージ』の読後感を募集します!

 10月末に全国書店で発売された李登輝前総統の来日記録集『李登輝訪日・日本国への
メッセージ』(日本李登輝友の会編、まどか出版)は好スタートを切っています。

 100冊を最高に50冊や30冊単位で申し込まれる方が続出しています。講演会などの催し
で販売したいという申し出も数ヶ所に留まらず、また李前総統が訪ねられた所からは、
本書を販売したいという申し出もいただいています。有難いことです。

 本書に添付の「読者カード」も出版社に届き始めており、読後感を本会に送って来ら
れる方もいます。

 そこで、本誌では寄せられたその「読後感」を順次ご紹介していきます。トップは、
李登輝学校研修団1期生の伊藤英樹さんから寄せられた読後感をご紹介します。

 本書を読まれた方は、短いものでも長いものでも結構ですので、どうぞお気軽に読後
感をお寄せください。                        (編集部)


李登輝氏と台湾への理解は確実に深まる

               東京都足立区 伊藤 英樹(李登輝学校研修団1期生)

 今回の李登輝氏訪日を政治的側面から見たとき、最大の意義を持ったのは靖国参拝で
あったと思う。

 多くの日本人は、李氏の兄上(李登欽命)が靖国神社に祀られているということを知
っただけで声を失い、さらには、李氏がそのような立場にあるにも拘らず、参拝後、宮
司さんに「長い間、兄を祭ってくださっていて有難うございました」と言われたと聞い
て、深い感謝の念を持たざるを得なかったからだ。

 そんな余韻がまだ冷めやらぬ今日、本書が出されたのは非常に有意義なことである。

 一挙に四本の講演録がまとめて掲載されていることにより、より多くの日本人は氏の
考えていることや その人となりを、より全体的にかつより容易に理解できるようになる
からだ。また、寄せられた多くの関係者の文章もそうした理解の手助けになることだろ
う。

 実は、私は本書の講演録のうち3本は新聞等ですでに目を通し、その切抜きもそろえ
ていた。しかしそうした私にも、本書の出版は有意義なことであった。

 学生時代の教科書を思い出せば分かることだが、文書などというものは一度読んだく
らいでは大半は忘れてしまっている。その点で、本書の出版はもう一度読む機会を与え
てくれたし、さらには、切抜きの寄せ集めよりも、遥かに理解することも記憶すること
も容易になったからである。

 私は今後、本書とともに八田與一氏のことを記載した慶応大学講演予定稿のコピーを
添えて、知人友人に目を通すよう勧めたいと思う。けだし、読んでもらえさえすれば、
李登輝氏への、さらには台湾への理解が高まることが確かだからだ。

■我が山寺随行記

 ついでに、書評とはやや離れるが、我が山寺随行記を少しばかり。

 電車にての先発隊にぶら下がって、私は山寺へ向かった。谷を渡り山脈を貫いて行く
車窓からの多種多様な緑は私を圧倒し、脚本家林秀彦の「日本は神の国」の一節を思っ
た。

 李登輝先生の御一行を待つまでの間、山寺の下を流れる清流に手を触れながら周囲の
山々を見上げたときも同様だった。季節と時間と天候との絶妙な組み合わせにめぐり合
えたのである。

 以下は林氏の「神の国」の抜粋である。

「先々月(平成12年日7月)13年ぶりで帰った祖国は、どう否定しようもないほどに、
神の国・日本だった。
 それはまず、いま私の住んでいるオーストラリアの緑と、日本の緑を比較したことか
ら始まった。なんという美しさだろう。世界中に日本ほど美しい緑を持った国土はほか
にない。それは日本各地にみられる田圃の稲の緑から、名もない雑草の緑まで、心を奪
われるものだった。千変万化の緑なのだ。(中略)
 日本の緑が神の化粧なら、オーストラリアの緑は悪魔のウンコである。そう感じたと
き、はじめて人は、日本が神の国だということを知ることが出来る」(「日本の息吹」
平成12年)

 山寺での記者会見のときだった。「松島の海とこちらの山を御覧になっての感想をお
聞かせ下さい」との産経新聞からの質問があったとき、李氏の第一声は「いやーまいっ
た」であった。

 それを耳にして私は心密かにしかし、大きな喜びを持った。その第一声に続いて、山
林の管理云々の政治家的話がなされたものの、第一声は疑いもなく私の感動と、その内
容においても度合いにおいても同じくすると思われたからだ。

 本書によると曽文惠恵夫人も「現実の旅行と心の中の区別がつかない。目の前の景色
と心の中の景色が一緒に旅行しているような感じがします」と話されていたという。

 この心の中の景色とは夢の世界の景色とも解されよう。夫人もまた季節と時間と天候
との絶妙なめぐり合わせのひと時を堪能されていたのだ。欲を言えば電車からの緑を味
わっていただきたかった。

 長旅とそれに続く歓迎その他諸行事の後であればお疲れであったはずだが、先生には
それを超える豊かな感性を備えられていたのだ。

 農業学者として合理性を徹底的に追求する先生は、一方で瑞々しい感性の人でもあ
るのだ。真に偉大な政治家である所以である。


 本書の目次や割引販売につきましては、本会ホームページでも掲載していますのでご
参照ください。                           (編集部)

■日本李登輝友の会ホームページ:http://www.ritouki.jp/

■『李登輝訪日・日本国へのメッセージ−2007旅と講演の全記録[完全保存版]』
 日本李登輝友の会編、まどか出版刊
 A5判・上製本・176ページ、定価:1,890円

■割引
・1冊〜9冊のご注文  → 送料サービス
・10冊〜29冊のご注文 → 1割引・送料サービス
・30冊以上のご注文   → 2割引・送料サービス

■お申し込み【代金後払い】
 1)お名前、2)ご住所、3)電話番号、4)注文冊数(『李登輝訪日・日本国への
 メッセージ』と書き添えてください)を明記の上、FAXかメールでお申し込みくだ
 さい。まどか出版より1週間以内にお届けします。代金は後払い。本と一緒に郵便振替
 用紙(払込料:無料)を同封、1週間以内に郵便局でお支払いください。

■お申し込み先
・日本李登輝友の会 FAX:03-5211-8810 E-mail: ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp
・まどか出版 FAX:0120-426-855



投稿日

カテゴリー:

投稿者: