【葬送】鍾振宏・元台湾駐日副代表の妻、黄金蓮さん

先月21日、鍾振宏・元台湾駐日副代表夫人の黄金蓮さんが亡くなっていたことを迂闊に
も知らなかった。昨日の産経新聞で初めて知った。

 黄金蓮夫人とお会いしたことはなく、電話で何度か話した程度だった。記事には書かれ
ていないが、鍾振宏氏は台湾駐日副代表を退任されてから2005年(平成17年)の暮まで李
登輝元総統の秘書を務められていた。事務所にご不在のときは自宅に連絡してくださいと
のお言葉に甘え、何度かご連絡した。そのときに黄金蓮夫人と話す機会があった。挨拶を
交わした程度だったが、行き届いた感じの、きれいな日本語を話されたことが未だに忘れ
られない。

 この場をお借りして、哀悼の誠を捧げるとともに御霊安かれとご冥福をお祈り申し上げ
ます。

                      (日本李登輝友の会事務局長 柚原正敬)


鍾振宏・元台湾駐日副代表の妻、黄金蓮さん
【12月30日 産経新聞「葬送」】
http://sankei.jp.msn.com/world/china/081229/chn0812291712000-n1.htm

 中華民国(台湾)が国連脱退を宣言した1971年、鍾振宏氏は「中華民国駐日大使館」の
参事官として、2度目の日本駐在を命ぜられた。「日中国交正常化」への機運が高まる中、
「日本では新聞もテレビも台湾は捨てろ、といわんばかり。日増しに台湾の孤立化を肌で
感じた」と鍾氏は当時を振り返る。

 迫る断交に備え、日台の新たな枠組みをどう構築するか−。後に駐日代表となる林金茎
氏と奔走した鍾氏は、中国の外交圧力に耐える約8年の滞在で、年間250万人が往来する
現在の日台交流の基礎を築いた。一例が実質的な大使館として機能する日本の交流協会、
台湾の亜東関係協会(現台北駐日経済文化代表処)の設置である。

 その熾烈(しれつ)な外交闘争の舞台裏で、黄金蓮夫人は鍾氏を支え続けた。72年の日
台断交前後、深夜におよぶ新聞記者の取材攻勢にも夫妻は嫌な顔一つせず、温かく自宅に
迎え入れた。度量の広さと台湾を守り抜こうとする「滅私奉公」の精神は、30年あまりの
歳月を経た今も関係者の間で語り継がれる。

 女学校時代の同級生、林淵雲さんは、夫人の人柄について「笑顔を絶やさない、おっと
りした誰もに親しまれる人」と語る。断交直後に帰台して再会を果たしたとき、夫人は林
さんにこういって明るくふるまった。「政治の話はやめましょうよ。ね、楽しい話がした
いわ」

 多くの日本人と血の通いあう友情を築けたのも、いわゆる「最後の日本語世代」として、
永久の日台友好を願っていたからに違いない。断交には胸がつぶれる思いをしたはずだが、
それでも笑顔をもって堪え忍ぶ強い精神があったからこそ愛され、頼られたのだろう。

 3年前にがんの手術を受け、回復は順調に見えたが、今年8月に急変。先月21日、75年
の生涯に幕を閉じた。あまりに急な最期に、今月27日の告別式では多くの涙を誘ったが、
夫人が皆の心に残したのはやはり、あの穏やかな暖かい笑顔だった。

                           (台北 長谷川周人、写真も)


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