日台間では近年、姉妹駅や姉妹鉄道など鉄道提携が数多く結ばれている。今年4月に南海電鉄と
桃園メトロが友好協定を締結して26件目の鉄道提携となっている。その特徴は、1986年1月の大井
川鐵道と阿里山森林鉄道の姉妹鉄道締結を嚆矢としているが、それ以外はすべて2013年以降に結ば
れていることだ。
日台鉄道提携には列車同士の提携もあり、来る6月24日、JR西日本の「やまぐち号」と「仲夏宝
島号」の名前で親しまれているCT273が姉妹列車提携を結ぶという。
2012年3月にJR北海道のC11形「SL冬の湿原号」と台湾鐵路管理局が運行するCK124牽引の
観光列車が姉妹列車提携を結んだことを嚆矢として、日台の姉妹列車提携はこれで2件目となる。
下記にそれを伝える中央通信社のニュースをご紹介したい。
鉄道ファンもさることながら、列車の連結器の強度が増すように日台の絆をさらに強めるこの姉
妹列車提携を喜んでいる人は少なくないだろう。
—————————————————————————————–SLの旅 日本・やまぐち号との姉妹提携や新コースで話題に
【中央通信社:2017年5月13日】
http://japan.cna.com.tw/news/atra/201705130003.aspx
(台北 13日 中央社)台湾鉄路管理局(台鉄)は、6月に蒸気機関車(SL)を使ったクルーズ列
車を運行する。CT273が牽引する特別列車「仲夏宝島号」コース、DT668と転車台見学をセットした
新コースなど、日本や韓国などの鉄道ファンからも注目が集まりそうだ。
CT273は戦前の日本でつくられたSLで、「貴婦人」の愛称で親しまれる日本のC57と同型。2014年
に「仲夏宝島号」として復活して以来、大好評を博している。台鉄によると、CT273は、同型であ
るJR西日本の「やまぐち号」と姉妹列車提携を結ぶことが決まっており、締結式が6月24日に東
部・花蓮県の玉里駅で行われる予定になっている。台鉄は、この機会にぜひ東部を訪れてほしいと
旅行客にアピールしている。
今年の「仲夏宝島号」は6月24日、7月1日、同8日の3回運行で、東部の玉里−台東間をクルーズ
列車方式で走る。東部は風光明媚な景観で知られ、緑の山景色と田園地帯の中を走り抜けるSLは、
乗るだけでなく、撮影愛好者にも人気が高い。旅行客の利便性を高めるために、SL運行に日程を合
わせた北部・中部出発の2泊3日プランも用意されている。
一方、DT668は日本のD51と同型のSLで、6月10日に出発する1泊2日のクルーズ列車の旅の一部と
して、中部の彰化駅―北西部の竹南駅間を走る。北西部で名高い山間を走るローカル線・内湾線の
終点、内湾駅に新しくお目見えした転車台見学や、海に一番近い木造駅で、5分歩くと海に出る新
埔駅などがコースに組み込まれ、海あり山ありのバラエティーに富んだ旅を楽しめる。
(陳葦庭/編集:塚越西穂)