リテールは小売りのことで、サプライチェーンは「製造業において、原材料調達・生産管理・物流・販売までを一つの連続したシステムとして捉えたときの名称」。つまり、牛肉や加工品などの農畜産物を、複数の企業が個々バラバラの物流システムでやるのではなく、経営の成果を高めるため、JA全農とJA全農インターナショナルが一括管理する統合的な物流システムを構築したいという意向のようだ。
8月3日、JA全農インターナショナルの台湾子会社と、今年8月下旬以降の登記完了を予定しているJA全農の台湾事務所の開設式典を台北市内で開いたという。
JA全農インターナショナルはこれまで米国、英国、シンガポールに輸出拠点を設置してきたというが、「台湾は、日本の農畜産物の輸出先では香港、米国に次ぐ第3位で、2017年の輸出総額の13.2%を占めている」(LNEWS)ことから、子会社を開設する輸出重点国に選ばれたようだ。アジアにおける輸出拡大を目指すため、香港には現地法人、タイには担当者を配置したという。
昨日、亜細亜大学が8月3日、台北市内に台湾事務所を開設したことをお伝えしたが、台湾との関係強化をはかるためには拠点を設けることが重要で、そこに人員も派遣できれば最善だ。日台の結びつきはさらに強くなる。本会も「台北事務所」を設けているお陰で的確な現地情報などを入手でき、身をもってその重要性を痛感している。
◆JA全農・JA全農インターナショナル:台湾輸出拠点の開設について【8月1日】 http://www.zennoh.or.jp/press/release/2018/573992.html
JA全農インターナショナル/サプライチェーン構築で台湾に拠点開設【LNEWS:2018年8月1日】
JA全農子会社のJA全農インターナショナルは8月1日、日本産農畜産物を輸出しリテールまで繋がるサプライチェーンを構築するため、台湾子会社を4月27日に開設し、5月から営業を開始したと発表した。
JAグループは国産農畜産物の輸出拡大に向けた取組みを進めており、輸出重点国での販売強化のため、現行拠点の要員拡充と新規拠点の設置をすすめている。
これまで、米国、英国、そしてシンガポールに輸出拠点を設置し、米国・欧州・アジアでの輸出拡大に取り組んできたが、加えて香港・台湾に海外拠点の設置を、またタイ・中国には担当者を配置する検討を進め、今年4月に香港現地法人(全農香港事務所を併設)を設立した。5月には全農グリーンリソース・タイに担当者を配置した。
台湾は、日本の農畜産物の輸出先では香港、米国に次ぐ第3位で、2017年の輸出総額の13.2%を占めている。
昨年9月には台湾向けの牛肉輸出も16年ぶりに解禁され、今年1〜5月の台湾向けの牛肉輸出額は全体の2割を占め、今後の拡大も期待される。JAグループは今後も日本産農畜産物・加工品の輸出拡大に取り組んでいく。
■台湾子会社概要
名 称:台湾全農國際
所在地:11052 台湾 台北市信義區基隆路二段51號14樓801室
業務内容: (1)農畜産物とその加工品、食品、飲料(酒類含む)等の輸入および台湾内での営業・加工・ 販売ならびに第三国への輸出に関する業務 (2)上記業務を実施するための現地取引先との出資・提携に関する業務 (3)農畜産物、食品等にかかわる調査および情報提供等に関する業務