4月29日「昭和の日」に発表された春の叙勲で「台湾歌壇」の代表をつとめられる蔡焜燦先生が
「旭日双光章」を受章、5月2日から本誌でお祝いのメッセージを募集してまいりました。蔡先生が
大好きな、日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃滅した日本の勝利を記念して設けられた「海
軍記念日」の本日午後5時をもって締め切ります。
本日は愛媛県の台湾人の女性と結婚された男性からのお祝いのメッセージをご紹介します。蔡先
生の名著『台湾人と日本精神』(小学館文庫、2001年)に心を揺すぶられた日本人は数知れませ
ん。この愛媛県の方もその一人です。
交流協会台北事務所からの勲記と勲章の伝達式は5月28日に決まり、「台湾歌壇」のメンバーな
ど有縁の方々が駆けつけてお祝いするそうで、本日の夜、これまでいただいたお祝いメッセージを
蔡先生にお届けします。
本会からはすでに柚原正敬事務局長が小田村四郎会長の名代として5月半ばに訪台、蔡先生ご夫
妻とご子息、それに早川友久・本会台北事務所長も交えた席でお祝いの品をお渡ししました。
蔡先生が来日されますとお泊りになるのは帝国ホテル。定宿です。実は、ここに蔡先生行きつけ
のバーがあるのですが、焼酎は置いてなく、美味しい焼酎を置かないなんてと掛け合いますがホテ
ル側が「焼酎など置けない」と頑として応じなかったそうです。そこで蔡先生は胡麻焼酎「紅乙
女」のクリスタルボトルならどうかと掛け合ったところ、支配人もこれならと認め、レギュラーと
して扱い始めたと言います。
このようなエピソードを蔡先生ご自身からお聞きしていましたので、この「紅乙女」クリスタル
を2本、お祝いの品として持参。また、蔡先生は少年航空兵だったことはつとに知られています
が、2005(平成17)年に来日されたとき、8月10日に靖国神社に「台湾少飛会」の会旗を奉納され
ています。そこで靖国神社とご縁のある品をと思い、蔡先生は5月27日の日本海海戦の勝利を殊の
ほか喜ばれていますので、遊就館で取り扱っている「Z旗」も持参しました。さらに、これまで蔡
先生を支えてこられた奥様に、化粧品を入れても小物などを入れてもいい高級ポーチも持参しました。
蔡先生ご夫妻にそれらの品をお渡しすると大変喜んでいただいたようです。この折、帝国ホテル
の現支配人から巻紙に筆文字も麗々しい直筆のお祝いメッセージが届いており、それも見せていた
だきました。
蔡先生へのお祝いメッセージは、本日(5月27日)午後5時を締め切りとします。忘れていたとい
う方は、まだ間に合います。
● 衝撃と感銘の『台湾人と日本精神』
S・H(愛媛県、31歳)
このたびの旭日双光章を受賞されましたこと、心よりお祝い申し上げます。台湾出身の女性を妻
に持つ身として一言御礼を申し上げたく、メールをさせていただきました。
妻とは大学時代に剣道を通じて知り合い、その天真爛漫な姿に心惹かれ、プロポーズしました。
恥ずかしながら交際当初は、台湾の歴史や文化についてほとんど知りませんでした。しかし、妻の
里帰りに付き添って台湾を訪れるたびに人々の温かさに触れ、その魅力にとりつかれていきました。
そんな中、私の台湾に対する認識に大きな変化が生じたのは東日本大震災の時でした。世界中か
ら温かい手が差し伸べられる中、台湾からの支援は群を抜いていました。しかし、当時の私にはそ
の理由が理解できませんでした。台湾の文化・歴史をもっと勉強しなければいけないという気持ち
がわいてきたのはちょうどその時です。それ以降、台湾に関する本を読んでいく中で私の疑問は少
しずつ解消されていったと同時に、台湾に対する誤った認識を持っていた自分を恥ずかしく思いま
した。
中でも、最も衝撃と感銘を受けたのが、蔡焜燦先生のご著書『台湾人と日本精神』でした。読み
終えた後、台湾の人々の温かさを生み出した土壌は、蔡先生や李登輝先生をはじめとする偉大な先
達の生きて来られた歩みの結晶そのものなのだと確信しました。
現在、妻は台湾の大学で日本語を教えております。日本での留学経験に基づく生きた授業はなか
なかの評判だと聞きます。新婚早々に別居生活でさみしくはありますが、妻が台湾と日本の交流に
役立っている姿を誇らしく思っております。今後とも夫婦手を取り合って、台湾と日本の永遠の交
流に少しでもお役に立てたらと存じます。
このたびは誠におめでとうございました。