拝啓
蔡焜燦先生。
先生との出会いは、多くの日本人と同様、司馬遼さんの『街道を行く─台湾紀行』でした。
司馬さんの名渾名「老台北」、 余程司馬さん気持ちの良い旅を満喫されたのでしょう。「司馬
さん、筆が躍っている!」街道を行くシリーズで、あれだけの頁数=厚みの有る巻は珍しい!
李登輝先生が「台湾民主維新」を粘り強く推進し、其を見た蔡・許文龍両先生を初めとした「元
日本人=台湾人愛国者」が、李登輝初代民主台湾総統を衛る様にスクラムをガッシリ組んで、遂に
「一滴の血も流さない」見事な台湾民主維新を実現されました。
その最中に、我等が司馬遼太郎がギリギリに間に合って、「その歴史的瞬間」に立ち会い且つ文
筆を以て、その「歴史的偉業」を後押し出来た事、当時を知る我々日本人は「手遅れにならずに済
んだ」と胸を撫で下ろした事、今も鮮明に胸に残っています。
その後の蔡先生の八面六臂の大活躍は言を待ちません。そしてあの名著『台湾人と日本精神』、
日台両国の心有る若い世代を励まされ続けておられます。
その精華が、かの台湾学生による「向日葵運動」。
我々の中には、向日葵←太陽=日本に向かおう!との彼等の我々日本人に向けての「暗喩=黙
示」ではないのか? と穿つ者もいます。
私も満更穿ち過ぎとは思えないと感じています。
嘗て金美齢先生が「日本が好きで好きで仕方がない国民が側に居るのに!」「戦後の日台関係は
台湾の片想い、戦後日本は冷たかった!」と悔しがっておられたのも昨日の事の様に覚えています。
にもかかわらず、蔡先生・李先生・周金両先生を初めとした「多桑世代=日本語世代」の方々は
営々と苦心惨憺しつつ、粘り強く或る意味執念深く「日台の絆」を「蚕が繭を紡ぐ如く命脈を繋が
れてこられました。
遂に日本国民の過半数以上が「台湾の心」に覚醒する時が来ました。
東日本大津波震災での「台湾の人々の真心」決定的でした。
最近の台湾の人々に対する「叙勲ラッシュ」も、多桑世代の方々に対する戦後日本人のささやか
な感謝の印です。
是非、御笑納頂きたく御願い申し上げます。
さあ、我々にとって最後の大仕事が待っています。多桑世代の大物中の大物、李登輝先生への我
が天皇陛下に「大勲位菊花大綬章頸章」親綬の実現です。これが完了しないと、我々の「ささやか
な感謝の印」は終わりません。
これからも、首相官邸等にメールで誓願し続けます。 いやー! とにかく嬉しい! 大変に良い
気分です。
良かった、良かった! 敬具
平成26年5月2日