園市の鄭文燦・市長と会い、観光、教育、経済、貿易など幅広い分野の交流推進を確認するための
協定を締結する。また、10日午後には陳建仁・副総統を訪問し、千葉県の農産物や食品の輸入規制
解除を働きかけると発表した。
森田知事の訪台は3度目になるというが、これまでも台湾との交流では青少年の教育交流に力を
入れてきているが、千葉県はこれまで台湾との自治体と都市間提携を結んだことはなく、桃園市と
の協定が初めてとなる。
一方の桃園市は、本年5月19日に石川県加賀市(宮元陸市長)と友好都市協定を締結したのが日
本の自治体との初めての協定で、2ヵ月後の7月18日には香川県と交流協定を締結し、それから1ヵ
月も経たない8月9日に千葉県と締結することになり、鄭市長がいかに日本との交流に力を入れてい
るかが分かる。
千葉県と桃園市の交流促進協定が締結されれば日台の都市間提携は51件目となる。
それにしても、台湾は未だに福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県の酒類を除く全ての食品の輸
入を禁止している。この5件を除く42都道府県の食品は産地証明書を付ければ輸入を認めている。
すでに上記5県の食品は、国際基準より厳しい放射能検査をパスして日本国内では堂々と出回って
いる。
馬英九政権時の昨年5月初旬に訪台した日台若手議連の岸信夫会長らが台湾の衛生福利部長に、
規制は科学的根拠に欠け一方的な措置だとして撤廃を要請したところ、言を左右にするばかりで答
えられなかったことは本誌でも紹介した。台湾側には、与党の民進党内でも輸入規制を緩和や解除
に反対する議員がいると漏れ聞く。しかし、規制の理由として双方が納得できる科学的根拠を示す
ことが肝要なのは言うまでもない。桃園市と千葉県の交流促進協定締結がその突破口となることを
期待したい。
下記に千葉県庁が発表した「知事の台湾訪問について」と、日本経済新聞の記事を紹介したい。
◆知事の台湾訪問について[千葉県庁:8月1日]
http://www.pref.chiba.lg.jp/kouhou/miryoku/documents/press-release-2016taiwan.pdf
千葉県知事、9〜10日に台湾訪問・農産物の安全性アピール
【日本経済新聞:2016年8月2日】
千葉県の森田健作知事は9〜10日、台湾を訪問する。蔡英文政権発足後、森田知事が同地域を訪
れるのは初めて。陳建仁副総統を訪問し、輸入規制を受けている千葉県産の農産物や食品について
安全性をアピールする。国際空港のある桃園(とうえん)市も訪れ、観光など幅広い分野で交流を
推進する協定を結ぶ。
知事は10日に、台湾の総統府を訪れ、陳副総統に会う。東京電力福島第1原子力発電所の事故を
受け、千葉県などは農産物の輸入を規制されている。知事は放射能の影響がないことなど、千葉県
産の農産物などの安全性について説明する。経済や教育分野などでもさらなる交流拡大に向けて意
見交換する。
9日には桃園市の鄭文燦市長を訪問する。桃園市は台湾北西部に位置し、台湾で最大規模の国際
空港「台湾桃園国際空港」がある。千葉県は同市から交流の申し入れを受けていたことから、観光
のほか、教育や経済、貿易など幅広い分野で交流を促進する協定を結ぶ。