み、中国に媚びへつらってきた。遠くは平成4年10月の両陛下の中国行幸啓に始まる。
あのとき、両陛下を前に、楊尚昆・国家主席は晩餐会の席上、「遺憾なことに、近代
の歴史において、中日関係に不幸な一時期があったため、中国国民は大きな災難を被り
ました。前のことを忘れず、後の戒めとし、歴史の教訓を銘記することは……両国国民
の根本利益に合致する」とぶち上げたのだ。
日本人も中国戦線では数十万の戦死者を出し、通州事件などでは無辜の民が無残に殺
された。しかるに、国賓として招いた賓客の国の被害には一言も触れず、平たく言えば
「お前の国との戦争のため、わが国民はひどい目に遭った。このことを教訓として決し
て忘れないことが両国の国益だ」と、両陛下を前に臆面もなくぶち上げたのだ。
天皇の前で、日本は戦争犯罪国家であり、経済協力は当然の贖罪だと言ったも同然だ。
これほどの非礼があろうか。無礼もここに極まる。未だに忘れられない場面だ。
中国の唱える「日中友好」とは、このような前提に立ってのものだ。
著者は、日本は中国の属国ではないとして、「中国と当り前の関係を確立するには、
自虐的としか言えない思考パターンから一刻も早く脱却することこそ急務」であり、そ
のためには「“日中友好”などというスローガンと決別すること」だと、本書執筆の意
図を明かしている。
収録されている論考16本は、これまで「WiLL」や「諸君!」「SAPIO」など
で発表されたものがほとんどだが、書き下ろしも「チベット人虐殺を正当化した日中首
脳会談」など3本ある。
これまでの倒錯した日本の政府やマスメディアの対中姿勢をまな板に載せ、容赦ない
筆誅を加える様は痛快だ。新聞記者時代に培われた、日中関係の常識を疑う目は確かだ。
中国の対日洗脳工作に引っ掛からないために、台湾関係者にもぜひお勧めした一冊であ
る。 (編集部)
山際澄夫(やまぎわ すみお) 昭和25年(1950年)、山口県下関市生まれ。ジャーナ
リスト。産経新聞政治部で首相官邸キャップ、外務省キャップなどを歴任。その後、ニ
ューヨーク支局長、外信部次長などを経て退社。著書に『拉致の海流』『安倍晋三と
「宰相の資格」』『これでも朝日新聞を詠みますか?』など。
■著者 山際澄夫
■書名 それでも中国と付き合いますか?
■体裁 新書、304ページ
■版元 ワック(WAC文庫) http://web-wac.co.jp/
■定価 980円(税込)
■発行 平成20年8月5日
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