現在、日本に住む台湾出身者の戸籍の国籍は「中国」とされている。日本人男性が台湾
人女性を妻とし、あるいは台湾出身者が日本に帰化したり、あるいは台湾人が日本人の養
子となるなど、その身分に変動があった場合、戸籍の国籍欄や出生地欄には「中国」ある
いは「中国台湾省」と記される。
中国とは中華人民共和国を意味する。しかし、台湾は中国の一部ではない。台湾出身者
を「中国籍」とするのは明らかにおかしい。来年から実施される在日外国人の外国人登録
証明書に替わる「在留カード」では、台湾出身者の「国籍・地域」は「中国」から「台湾」
に変更される。住民票(住民基本台帳)でも、台湾からの転入・台湾への転出の際には「台
湾」と表記する自治体が多くなっている。その他にも、台湾と中国を区別している事例に
は事欠かない。
この戸籍問題を知った「日本・台湾交流促進議員の会」会長の中津川博郷(なかつがわ・
ひろさと)衆議院議員は「そんなおかしなことが未だにまかり通っているのか」と、所属
する衆議院外務委員会で7月27日午後1時30分から質問することになった。
戸籍問題が国会で取り上げられるのは初めてだ。中津川議員はこれまで台湾人観光客の
ノービザ問題や外登証問題などを国会で取り上げ、日台関係の正常化に尽力してきた、屈
指の親台派議員として知られる。戸籍問題の解決のために、今回も立ち上がった。
本誌でもすでにお伝えしたように、例えば本年2月、青森県三沢市でアメリカ人と結婚し
た台湾人女性から「三沢市役所から受け取った結婚証明書に、私の国籍が『中華人民共和国
(PRC)』と記載されていましたので、すぐに訂正を求めました。しかし、市役所の担
当者は『日本では台湾は中国の一部と考えられているため、国籍を台湾と表記することが
できない』と私に言うのです。私は深いショックを受け、混乱しました」という手紙をい
ただいたことがある。
また、台湾の中央通信社は5月23日、日本でイギリス人男性と結婚した台湾の女性が5月2
日に千葉県内で婚姻届を提出し、20日に手にした結婚証明書では、国籍欄が申請した「台
湾」から「中国」に改められていた。そこで、この女性が窓口で問い合わせたところ、職
員からは「こうするしかない」と説明されたことを伝えている。
結婚という晴の門出だというのに、その門出において台湾出身者はこのような悲しい思
いをさせられている。日本によって、このようなみじめな思いをさせられているのだ。こ
れは台湾人の人権を踏みにじる不条理な措置でもあり、外登証と同根で、必ずや解決され
なければならない問題だ。
衆議院外務委員会での質疑の模様は本誌でも報告する予定だが、インターネット中継も
行われる予定だ。お見逃しなく。中津川議員にご声援を!(HP「お問い合わせ」から)
◆ 衆議院インターネット審議中継
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
◆ 中津川博郷議員ホームページ
http://www.naktsugawa.net/