の共催により、台湾人の外登証国籍の「台湾」への改正を求めて「台湾正名決起集会」を
開催した。
本誌でもすでにお伝えしたように、柚原正敬・日本李登輝友の会事務局長は、外登証の
改正を求めてきたこれまでの経緯のおおよそを紹介し、なぜ在日台湾人の国籍が「中国」
から「台湾」に改正されなければならないのか、5つの理由を挙げた。
そのときのレジュメから改めてご紹介したい。 (編集部)
国籍が「台湾」に改正されなければならない5つの理由
日本李登輝友の会事務局長 柚原 正敬
1、外国人登録法に抵触
・ 外国人登録法(昭和27年4月28日施行)の第1条にはこの法律制定の目的が定められて
いて「外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめ、もつて在留外国人の公正な管理
に資することを目的とする」とある。だが、台湾出身者の国籍を「中国」と表記してい
ては「身分関係を明確」にできない上、同法の「公正な管理」の原則に反する。
2、在日台湾人の尊厳を傷つけ人権を蹂躙
・ 「在日台湾人の運転免許証、印鑑証明書など公的証明書類の国籍もすべて『中国』と
なっている。台湾人にとって、これは堪え難い屈辱である」(林建良・在日台湾同郷会
会長、2001年)
・ 「台湾人は中華人民共和国の国民と誤解されることで不快感や屈辱感を味わい、日常
生活に不必要な障害がもたらされることが極めて多い」(陳明裕・5・11台湾正名運動日
本デモ実行委員会委員長、2003年)
・ 人権擁護法案(「『話し合い解決』等による人権救済法」)中に、調査不開始の事例
として「台湾人の外国人登録の国籍に『中国』と記載する行為が人権侵害であるとする
申告」を挙げ(平成20年2月13日の自民党人権問題等調査会で配布した法務省人権擁護
局作成資料)、在日台湾人の外登証国籍問題を人権救済対象から除外。
3、日本政府の見解と相違し実態にも即さず
・ 日本政府は台湾を中華人民共和国の領土とは認めておらず、法務省が台湾国民を中国
国民と同一国民とするのは政府見解と相違するばかりでなく、逸脱している。
* 台湾の領土的地位に関する日本国政府の公式見解は「我が国は、日本国との平和条約
(昭和27年条約第5号)第2条に従い、台湾に対するすべての権利、権原及び請求権を放
棄しており、台湾の領土的な位置付けに関して独自の認定を行う立場にない。台湾に関
する我が国政府の立場は、昭和47年の日中共同声明第3項にあるとおり、『台湾が中華
人民共和国の領土の不可分の一部である』との中華人民共和国政府の立場を十分理解し
尊重するというものである」(平成17年11月15日、政府答弁書・内閣衆質163第66号)。
・ 平成15年12月から台湾では日本のナショナルデーとして天皇誕生日祝賀会を実施し、
平成17年9月からは台湾人観光客にノービザを実施、平成19年9月からは日台の運転免許
証を相互承認するなど、台湾を「統治の実態」と明確に認め、中国と弁別。
* 東京都は62年通知が現状に即していないことから、平成20年5月30日、台湾からの転
入・台湾への転出の際、住民基本台帳の表記を「中国(台湾)」などから「台湾」表記
を容認する通達を各区市町村に送付。公文書で台湾表記を認めるのは都道府県初。6月8
日、台湾の外交部は「対岸と明確な区別がつき、混乱が避けられ、東京都における僑民
の利益が保障される」と歓迎表明。
4、世界標準ではない
・ 米国、カナダ、フランス、ドイツなど先進主要国の外登証では、台湾出身者の国籍表
記は「TAIWAN」となっている。イギリスも「TAIWAN−ROC」で中国の
「CHINA−POC」と区別している。シンガポール、ニュージーランド、南アフリ
カなども同様に表記。
5、入国管理局の内規で制定
・ 外登証の国籍記載を定めているのは法務省入国管理局の内規「外国人登録事務取扱要
領」であり、法律ではないため入国管理局長の所管。
・ 最近発行の運転免許証では、台湾出身者の「本籍」欄は空白。