下記の「台北事務所ブログ」では講演会の写真を多数掲載!
■台北事務所ブログ(2010年12月9日)
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去る12月9日午後7時から、台北にて本会主催の野口健さん講演会「台湾からの恩返し 日本の元気を台湾から取り戻す」が開催されました。
会場となった台湾大学校友会館では、午後6時半の開場を待たず、来場の方々の姿がちらほら。入口わきには、今年7月に本会が仲介して対談した李登輝元総統からのお花も飾られて来場の方を迎えます。
事前準備では、交流協会台北事務所や台湾日本人会、友愛グループ、台湾歌壇など、あらゆる日台関係機関や団体のご協力をいただき告知に務めましたが、平日の開催ということもありどのくらいの方々にお集まりいただけるか不安でした。しかし、フタを開けてみれば、120席用意したイスが開演直前にはほぼ埋まる大盛況。急遽10席を増やしましたが、最終的にはそれもほとんど埋められました。また、台湾アサヒビール様からは「日台交流にお役立て下さい」とペットボトルの「十六茶」をご提供いただきました。ありがとうございました。
講演会前には、共催いただいた台湾李登輝民主協会の蔡焜燦理事長も駆けつけ、貴賓室で野口さんと懇談。後で聞いたところ、蔡焜燦理事長は野口さんに「あなたはまだ30代。あと50年生きられる。台湾を知ってしまったからには、これから50年、日台関係のために頑張ってもらわなくてはいけないよ」と激励されたそうです。
いよいよ開演、まずは蔡焜燦理事長から挨拶。「日本の元気を台湾から取り戻すというが、そんなことされたら台湾には何も残らなくなってしまう」と笑いを誘った蔡先生。「しかし、野口さんは登山ばかりか、富士山やエベレストの清掃活動、そして遺骨収集と、日本人が忘れかけている”公”の精神を発揮して頑張っている。日本と台湾の縁は切っても切れない関係の深い間柄。これから、もっともっと日台関係を発展させてくれると期待している」と仰っていただきました。
冒頭では、野口さんの今までの活動を紹介する15分ほどの映像を流しました。プロフィールを紹介するよりも、目で見ていただいた方がより分かりやすいだろう思っていましたが、まさにエベレスト登山の過酷さやゴミの山の実態、遺骨収集の過程などが簡潔にまとめられており、来場された方に大きな印象を与えた様子です。
そしていよいよ講演がスタート。まずは少年時代のエピソードを切り口に登山を始めるきっかけになったイギリス時代の高校生活まで。ユーモアをまじえつつもテンポよく進む野口さんのトークに、参加者の皆さんはどんどん引き込まれていく様子。
エベレスト登山の失敗で容赦なく受けた批判の嵐で社会というものを知る。登山途中、目の前で仲間が死んで行き、遺体を収容することもままならない。「命」というものを目の当たりにした野口さんの、時に切れ味鋭く、同時に人情味もあって、しかもスムーズな講演に来場の方々から大きな拍手が送られました。
講演終了後、野口さんのもとには記念撮影やサインを求める人たちが殺到。日本人学校に通うお子さんたちから質問されると丁寧に答えていたのが印象的でした。2時間近く、立ちっぱなしでの講演、その後の質疑応答、子供たちや留学生との写真撮影やサインなど、野口さんは私たち以上に疲れていたはずなのに、そんなことはおくびにも出さずパワフルそのもの。このパワーがエベレスト登山をはじめとする様々な活動を支えているのでしょう。
会場を後にした野口さんは「あ〜お腹すいた」。ということで、台湾海鮮料理レストラン「好記」へご案内。その後、ビールや紹興酒を片手に先ほどと変わらぬパワフルさでまたまたおしゃべりに興じる野口さんに、私たちはあっけにとられるばかりでした。