【呼びかけ】中国国民党・馬英九の「九二共通認識」を糾弾せよ!!

【11月18日 メルマガ「台湾の声」】

 台湾の報道によると、馬英九は今度の訪日時でも、九二共通認識を改めて確認し、中
国国民党の基本方針に変更なしと表明すると言われている(「中国国民党」、以下「国
民党」に略)。

 国民党の言う「九二共通認識」とは何か。

 即ち、“一つの中国”は「中華民国」と相変わらずの強気の調子だ。まるで、故宮博
物院から出てきた様な、国際社会で今時到底通用しない、時代錯誤丸出しの、バーチャ
ル国家の感がある。

 国民党・馬英九の本質は、“一つの中国”=「中華民国」であることは紛れもない事
実だ。読者もご存じの恐るべき地図帳にある通りで、地理的に外蒙古が中華民国に含ま
れ、国際問題になろうとなるまいと、この「一中原則」に変わりはない。

 そのくせ、馬英九は「台湾優先」を掲げ、台湾選挙民を惑わそうとしている。本質が
“一つの中国”=「中華民国」であるにも拘らずだ。

 国民党側は、立法委員選挙、総統選挙対策として「生活第一」を連呼し、陳水扁政権
が経済問題を一顧だにしない、無能だと攻撃の矛先を緩めない。

 今年の5月、陳水扁政権は、台湾正名運動の一環として、中正記念堂を台湾民主記念
館と改名したが、国民党・ブルー陣営がそれに強烈に反発したことも記憶に新しい。国
民党も陳水扁政権に倣い、時代の変化に合わせて、せめて「台湾国民党」に改名すべき
ではないのか。

 話が脱線してしまったが、馬英九訪日時、九二共通認識に焦点を合せて、改めてこの
問題を講演時の質疑応答の際に、取り上げるべきではないだろうか?

 そうすれば、馬英九の「台湾優先」の仮面を剥ぎ取り、反日姿勢と「一中」堅持論者
であることをクローズアップすることになるのではないか。

 「人民網日本語版」(2005年5月13日)によると以下の通りだ。

「92共通認識」の口頭で申し合わせた原文を発表

 中国共産党中央委員会の胡錦濤総書記と親民党の宋楚瑜主席による会談の声明が12日、
発表された。
 声明の中で、1992年に大陸部の海峡両岸関係協会と台湾の海峡両岸基金委員会が口頭
で申し合わせた原文が発表された。
 海峡両岸基金委員会は「海峡両岸(中国大陸部と台湾)が共同の努力で国家統一を求
める過程において、双方はいずれも『一つの中国』原則を堅持するが、『一つの中国』
に含まれる意味の解釈はそれぞれ異なる」と表現した。
 これに対して、海峡両岸関係協会は「海峡両岸は等しく『一つの中国』原則を堅持し、
国家統一の希求に努力する。しかし海峡両岸の事務的な話し合いにおいて、『一つの中
国』の政治的意味には言及しない」と表現した。
 声明は、前述のとおり両岸が等しく「一つの中国」原則を堅持するとそれぞれ表明し
た 「92共通認識」(両岸一中=海峡両岸は一つの中国)を基礎に、両岸の対等な協議を
早期に再開し、互いを尊重し、共通点を求め相違点を保留し、両岸が共に関心を持つ大
きなテーマを実務的に解決すると強調した。

 人民網の報道は以上だが、九二共通認識で、台湾政府が一つの中国に関して、その解
釈は双方独自の見解、解釈によるとしているが、これでは結局のところ、中共側に「一
つの中国を前提に、一つの中国を前提に」と押しまくられ、中共側に言いがかりを与え
てしまう口実になりはしないだろうか。

 この辺り、サンフランシスコ平和条約で日本が台湾を中国に返還した事実もないのに
、1972年の日中共同声明で、「台湾は中華人民共和国の不可分の一部であることを十分
理解し、尊重する。」との言質から、中共側にこれを前提として押しまくられている状
況に似ていなくもない。

 中共側にしてみれば、国際社会、特にアメリカ・日本に向けてアピールする為、台湾
と話し合いをしていると、偽りの平和的姿勢のポーズを取っているに過ぎない。所詮、
中共は羊の皮を被った狼であり、本質的には領土拡張主義者、侵略主義者であることを
見誤ってはならないのではないか。台湾まで、チベット・東トルキスタン・南モンゴル
の様な、悲惨且つ残虐な歴史を体験させてはならないはずだ。

 馬英九来日時、台湾サポーターの一日本人市民として、下記のスローガンを掲げてア
ピールしたいと思うが、読者はどのように感じられただろうか。

中共利用九二共識併呑台湾!!
絶対反対併呑台湾!!
不要「一個中国」的幻想!!
不要中華民国、要台湾国!!
台日関係没必要麻煩製造者!!
日本支持以台湾名義加入聯合國!!
日本支持台湾正名・制憲・建国!!
日本和台湾是命運共同体!!
勿忘台湾魂!!
台湾魂就是台湾救国之道!!
天佑台湾!! 加油台湾!!


【参考】台湾政府の「92年のコンセンサス」問題に関する立場の説明

【11月5日 台湾週報】

 「92年のコンセンサス」問題が最近多くの論争を引き起こしているため、行政院大陸
委員会は以下の立場を表明する。

一、台湾海峡両岸間に「92年のコンセンサス」は存在しない

 いわゆる「92年のコンセンサス」とは、2000年に蘇起(元行政院大陸委員会主任委
員)氏によって創作された新名詞であり、これは1992年の香港会談において「一つの中
国の解釈をそれぞれが表明する」というコンセンサスを達成したと認識されるもので、
「92年のコンセンサス」と呼ばれている。しかし、これは全く事実に基づいていないの
である。事実、1992年10月の香港会談において両岸は「争議を先送りし、実務的に話し
合い、お互いを尊重する」という姿勢で、両岸間の交流において発生する初期的な各種
事務的問題を共に解決するために話し合った。会談の中では「一つの中国」問題につい
ても触れられたが、いわゆる「一つの中国の解釈をそれぞれが表明する」や、「一つの
中国」原則に基づく「92年のコンセンサス」は達成されることはなかった。香港会談の
中では事務的、技術的な問題が議論されたが、中国は始めから政治性の高い「一つの中
国」問題を持ち出し、「一つの中国」の枠組みを両岸協議のモデルにしようと企図し、
その後自己で定義付けを行い、1992年の香港会談の結果を「一つの中国の原則」のコン
センサスが達成されたと解釈した。同時に中国による定義の下においては、そもそも「
一つの中国の解釈をそれぞれが表明する」という空間はなかったのである。このことか
ら「一つの中国」原則は中国が設定した対台湾政策の戦略的枠組みとなり、両岸交流お
よび国際社会での活動における各方面において十分に運用されてきた。「一つの中国」
原則はきわめて抽象的であるが、具体的な運用時においては台湾に数々の制限を与え、
手足を縛るものとなっている。

二、国家の主権在民を堅持

 台湾は主権独立国家であり、台湾海峡のいかなる現状の変更においても必ず台湾2,300
万人の同意を得なければならない。これは台湾の民意の主流であり、政府の両岸政策の
核心である。わが国政府は、中国が一方的に「一つの中国」を原則とする両岸の定義を
決して受け入れない。また、これを前提とする枠組みの下でいかなる対等でない方式に
よる両岸関係の発展も絶対に受け入れない。

三、両岸関係は対等、互恵、平和、尊厳の原則の下で進行すべき

 中国側は台湾の民意の発展を尊重せず、引き続き両岸間の各種協力事項において「一
つの中国」の枠組みという対話の障害を設け、国民によって選ばれたわが政府との正式
な対話を避けようとしている。これは対等と尊厳の原則に合致しない上に、平和と発展
の潮流にも背くものである。中国は口では、わが国と話し合い、敵対状態を解除して平
和協定を締結したいと言っているが、依然としてわが国に対する武力による威嚇を放棄
せず、さらには「反国家分裂法」を設けて、台湾を消滅させるためにさまざまな罠を企
み、受け入れさせようと誘導している。今後、台湾政府は国家利益と国民の要求に基づ
いて、両岸の各関心テーマについて実務的、積極的に引き続き中国当局がわが国政府と
の対話、協議を行うよう促し、両岸の平和と安定の協力体制を構築し、両岸関係を正常
化する方向に発展させてゆくものである。

                      【行政院大陸委員会 2007年11月2日】


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