【告知】台湾・烏来の高砂義勇隊記念碑の移設に関して

台北県烏来にある高砂義勇隊英霊記念碑の撤去問題に関して、7月4日付「産経
新聞」(東日本版)と7月5付同紙(大阪版)及び7月4日発行のメールマガジン「台
湾の声」が産経新聞の記事を転載して紹介したところ、心ある多くの方々から、
碑の移設協力募金のご提案やお問い合わせをいただきました。
 ここに改めて台湾人戦没者に対する皆様の強い関心と深い愛情に、心より感謝
申し上げます。
 烏来の関係者に状況を問い合わせたところ、移設計画は目下検討中であり、ま
だ募金等を考える以前の段階であることがわかりました。
 日本国内でも、すでにいくつかの台湾関係団体が募金活動を考慮していると聞
いております。どのような形になるか未定ですが、もしそれが開始されましたら
、日本李登輝友の会も直ちにホームページやメールマガジン「日台共栄」等で告
知いたします。その時は皆様の惜しみないご協力をお願いいたします。
                               (編集部)


【参考】平成16年(2004年)7月4日付「産経新聞」朝刊

台湾「高砂義勇兵」慰霊碑“撤去”の危機
敷地提供会社が日本人観光客激減で倒産

 【台北=河崎真澄】太平洋戦争に「日本兵」として出征した台湾先住民出身
の「高砂義勇兵」の戦没者を祭る慰霊碑に、“撤去”の危機が迫っている。慰霊
碑の敷地を提供していた台北郊外の観光会社が、昨年の新型肺炎(SARS)流
行による日本人観光客激減で倒産、月内にも土地を「更地」にして売却する意向
を固めたためだ。地元関係者は碑の移設を検討しているが、五百万台湾元(約千
六百万円)と見積もられる移設費用の捻出(ねんしゅつ)に頭を抱えている。
 この慰霊碑は、温泉地の台北県烏来(ウライ)郷に台湾先住民の一つであるタ
イヤル族の女性頭目だった周麗梅(民族名リムイ・アベオ)さんが中心となって
一九九二年に建立した。当時総統だった李登輝氏が揮毫(きごう)した、「霊安
故郷(霊魂は故郷に眠る)」の文字が刻まれ、日章旗が掲げられた高さ約三メー
トルの慰霊碑のほかに、日本の遺族団体などが寄贈した石碑もあり、広さ百平方
メートルほどの慰霊園になっている。
 その烏来への日本人観光客がSARSの流行に伴い激減。タイヤル族の踊りや
先住民文化を紹介する文化村の運営が立ち行かなくなり、従業員への未払い給与
、税金や借地料の未納分など六百万台湾元(約千九百二十万円)以上の負債を抱
えて観光会社が倒産した。
 慰霊園は、この観光会社が台湾当局から借りていた約三千三百平方メートルの
土地の一部にあり、同社は借地権を月内にも転売して債務解消し会社を解散する
方針を固め、慰霊碑撤去を求めてきた。
 慰霊碑の建立で多額の借金をしながら維持費も都合してきた周さんは昨年十一
月に七十五歳で病死しており、周さんの長男の邱克平(マカイ・リムイ)氏や、
おいの簡福源(タリ・ワタン)氏が対応に苦慮している。
 移転するにしても、付近が水源保護区に指定されているため地元自治体は土地
の提供に冷淡で、日本人観光客がまばらな烏来には、重さ数トンもある慰霊碑や
周囲の石碑などを車が入れない裏山から移転する費用をすべて負担する能力は
ない。
 マカイさんは「慰霊碑は命をかけて残さなければならないが、タイヤル族の力
だけでは限界がある」と話している。資金が足りない場合は、碑文だけを残して
取り壊さざるを得ず、日本に支援を求める声も出ている。
                  ◇
 【高砂義勇兵】日本統治時代の台湾で、太平洋戦争中に「高砂挺身報国隊」「
陸軍特別志願兵」など日本兵として出征した数千人の台湾先住民の総称。軍属扱
いで、記録すら残されていないケースも多い。山地生活の知恵があり、勇敢で忠
誠心が高い。南洋のジャングル戦で正規軍の食料調達や行軍、接近戦では先頭に
立った。血書志願した若者も少なくなかったという。半数は戦死したとされる。
生還しても戦後は日本国籍を失ったため恩給や補償も満足に受け取れず、日本人
に忘れ去られてきた。


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