【メッセージ】日本の皆様、ありがとう[台北 蔡焜燦]

五月一日、無事台湾に帰って参りました。日本滞在中はたくさんの方にお目にかかれ
て大変嬉しゅうございました。靖国神社の例大祭にも初めて参列でき、司馬遼太郎先生
の墓参にも参り、本当に心温まる旅でした。

 さて、台湾は堂々とした一つの国であるにもかかわらず、中国の理不尽な妨害でWH
Oに加盟できないため、必要な情報が入って来ず、本当に困っています。

 しかし、だからと言って台湾は一方的に情報の提供を求めているわけではありません。
これまで積極的に対外的な医療協力を行ってきています。一昨年の南インド洋大津波災
害における復興活動、昨年二月のフィリピン土石流災害に際しては緊急援助隊の派遣と
物資の搬送、鳥インフルエンザに対する防疫物資の提供と台湾国際医療チームの派遣な
ど、数え上げればきりがありません。

 四年前のサーズ、つまり「中国肺炎」ですが、あの時のことを思い出してください。
中国政府が発生を隠蔽して対策を怠り、WHOからの情報もない中、台湾は最善を尽く
し、影響を最小限に食い止めました。

 皆さん、サーズウィルスや鳥インフルエンザが国境や人種を見分けますか。

 本日は日本李登輝友の会の主催により、日本の皆様が台湾人と一緒に台湾のWHO加
盟支持の集いを開かれるとの報に接し、私は目から汗が出ています。これが日本です。
これが武士道の国日本なのです。だから台湾の友人なのです。

 今日の東京は雨だそうですが、そのような中を駆けつけていただき、遠く台北から深
く御礼を申し上げます。日本の皆様、ありがとう。

 二〇〇七年五月六日

                                台北 蔡 焜燦



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