青年部主催の実り多い「伊勢参宮の旅」を終えて[青年部部長 松下眞啓]

青年部主催の実り多い「伊勢参宮の旅」を終えて[青年部部長 松下眞啓]
一生忘れ得ない思い出となった!

 去る9月9日、10日に、日本李登輝友の会青年部では『伊勢参宮の旅』を実施した。

 今、伊勢は平成25年(2013年)の遷宮(せんぐう)に向けて様々なお祭りが始まってい
る。このような時期にぜひ青年部として伊勢神宮に参拝し、清新の気を胸いっぱいに吸い
込み、伊勢に満ちている新たな活力を台湾の将来に、またそれぞれの職場・生活などに生
かしたい、このような思いがあった。

 伊勢参拝の企画を進めていく段階で、伊勢在住で「日本眞悟の会」の南英雄氏とお知り
合いになることができた。この伊勢参拝のお話をしたところぜひ伊勢にということで、様
々なお世話をいただき、全行程をご同行いただいた。

 9日、日本人・台湾人含め総勢16名が集い、最初に外宮(げくう)を参拝する。当日、伊
勢観光協会の「語部」の方がご同行下さり、伊勢神宮の歴史をユーモアを交えた語り口で
ご説明くださる。当日の朝は、雨が降ったかと思えば太陽がさすというはっきりとしない
天気であったが、これが幸いし、外宮正殿の茅葺屋根より立ち上る靄が、やはりこの場所
に神様はおられるのだということを、我々に深く印象づけることとなり、『伊勢参宮の旅
』の名前に相応しい旅の始まりとなった。

 続いて皇大神宮(内宮)の別宮である「月読宮」を参拝する。このお宮は唯一「御敷地
(みしきち)」(次遷宮で新たなお社が建つ場所)が前後にあるというお宮である。まだ
午前中の別宮には参拝者の姿もなく、雨によりうっすらとけぶり我々の玉砂利を踏みしめ
る音のみの響く参道が大変心地よい。このお宮に於いて台湾からの留学生、また初めて神
宮を参拝するという者に、参拝前の正式な手水の取り方などを教わった。

 皇學館大学構内にある「佐川記念神道博物館」を見学する。休館日にも関わらずご配慮
により、皇學館大学職員の竹内央氏に館内をご案内いただく。さすが神宮のお膝元、全国
で2校しかない、神職養成を行う大学の博物館である。全国の神社祭祀に関わる展示が所
狭しと並んでいる。見ごたえのある展示に、台湾留学生からの熱心な質問も相次ぎ解説に
少々苦労した。少ない見学時間が非常に残念であった。

 神道博物館見学の折、皇學館大学理事長・上杉千郷(うえすぎ ちさと)先生のご好意
により、参加者全員に一幅の色紙をいただいた。その色紙には
「書らおき ほことりて立つ 若人を かみこそさぞと うなづきまさめ」
の一首がしたためられてある。

 これは昭和18年、皇學館大学学部に在学中の山本隆一氏が学徒出陣される際、時の皇學
館大學学長・山田孝雄先生が氏に贈られたお歌である。

 色紙を拝見し、勇躍戦地に赴かれる学徒のお姿を拝想するとき、流れる涙を禁じえない
。現代の平和な時代に生きる我等青年部の若人は、常は真摯に勉学・仕事に励まなければ
ならない。しかし一旦緩急あらば学業半ばにして書物を武器に持ち替え、国難に殉ずる覚
悟も持たなければならない。伊勢の地において青年の覚悟というものを深く考えさせられ
た。

 続いて『神宮徴古館』を拝観する。この徴古館は日本で最初の博物館で、式年遷宮で殿
内に納められる「御装束神宝」を中心として神宮の御鎮座の様子、神宮で行われる諸祭の
説明等がある。神宮に参拝する時、是非またこの徴古館に足を運びたいと思う。神宮では
心でその歴史を感じ、こちらでは目と耳で歴史を学ぶ、まさにうってつけの場所であった。

 午後、宿舎で昼食をとった後、いよいよ内宮(ないくう)の正式参拝へと向かう。さす
がに土曜日であるので訪れる観光客の数も多い。現代の「お伊勢参り」を髣髴とさせる様
子である。その中を、身を正した我々が進む。朝、静寂の神宮も神々しいが、参拝者であ
ふれる神宮にもまた力強さを感じる。

 先ず、正殿への参拝を行う。参道両脇に高く聳える木々に、境内に満ちる凛とした空気
に正殿に向かう我々の背筋も自然と伸びる。板垣南御門へ続く階段を一歩一歩踏みしめな
がら登る。

 我々は、一般の参拝者と同様、正殿の外玉垣南御門前にて参拝させていただくつもりで
あったが、同行下さった南さんより御垣内(みかきうち)での参拝を許されているとのお
話を聞き、さらに身が引き締まるのと同時に、身震いを抑えられなかった。先導くださる
神職の方の後を、粛々として続く。神領民がお白石持行事で心をこめて奉献されたお白石
の白さが目に眩しい。大前に参進し、参拝の先導を促されたが、歩を進めるのを一瞬躊躇
った。普段、怠惰な生活を送る私にとっては、余りに恐れ多いことに思われた。先導の大
役を終え、御垣内を出るまでちゃんと務められていたかどうか、よく思い出せない程緊張
していた。ただ覚えているのは、外のしわぶきは全く聞こえず静寂の中での参拝というこ
とであった。

 正殿での参拝を終え、神楽殿(かぐらでん)に場所をうつし、神楽の奉納を行った。懇
ろな祝詞の中に、我々の今回の参拝祈願の目的である「日台共栄」「台湾独立」の言葉が
しっかりと読まれていた。日本李登輝友の会青年部としては、台湾の独立は勿論、日台が
共に栄え、日台の若者が物的交流のみならず、心の交流をさらに広め深めていく事を切に
願っている。流麗な神楽「倭舞」を拝見しながら、参加者一同思いを深くした。

 無事、朝からの外宮・内宮の参拝を無事終え、これも「お伊勢参り」の楽しみの一つで
ある、精進落しと称したおかげ横丁などの散策である。皆それぞれ思い思いに楽しい一時
を過ごした。

 夜、宿舎にて、鈴鹿国際大学教授・水屋神社宮司であられる久保憲一先生より、ご講演
をいただいた。

 現在、ご自身の新聞における発言により教授降格処分は不当であるとの裁判のお話(事
実、大学側の処分は全く不当である)、また御祖父様の代より宮司を勤められている、水
屋神社の分社を、フランスに創建されているというお話(現在「フランス水屋神社御創建
募金」を募集されています)等、大変面白く、興味深くお話下さった。これは座学という
よりは、まさに行動学!という内容であった。講演後の質疑では、熱心な質問が相次ぎ、
時間を大幅に越えてお答えいただいた。

 講演後、内宮参拝で頂いた神宮御料酒「白鷹」にて、参加者一同で直会。皆夜更けまで
楽しく語り合った。やはり神事の後の直会は楽しく、朗らかに過ごすものである。この一
夜により参加者の仲は、より一層打ち解けたものとなったと確信している。

 10日、南さんのご配慮により、志摩方面へ足を伸ばす。

 朝一番、日本名水百選にも選ばれる水の湧く、「天の岩戸」(あまのいわと)を見学す
る。神話の時代、天照皇大神(あまてらすおおみかみ)がお隠れになられたという「天の
岩戸」より湧き出す水は、冷たく、岩戸より噴出す冷気が顔にあたって心地よい。天照皇
大神が二度と岩戸にお隠れになることがないようにと、ただ祈った。

 次いで皇大神宮別宮「伊雑宮」に参拝する。志摩の地は、皇大神宮御鎮座の後、御贄所
(みにえどころ:皇大神宮へ奉る御供物を採る処)として定められ、「伊雑宮」の境内隣
には、「御神田」(おみた)とよばれる御料田がある。ここから神宮の日々の大御饌が採
られているのである。頭をたれ始めた稲穂を見て、神宮の力の源がここにあると強く感じた。

 横山展望台より志摩の地形を一望、秋晴れの空、青い海、大地の緑が目に眩しいまさに
神様によって選ばれた場所に相応しい、大変な絶景であった。

 昼食に名物伊勢うどんと手こね寿司に舌鼓を打った後、南さんの地元の同志である、宮
崎さん、徳山さんと合流。夫婦岩(めおといわ)で有名な「二見興玉神社」を参拝する。
古来神社の御祭神である猿田彦大神のお使いとして、境内に蛙の像が沢山奉献されており
、旅から無事“帰る”との祈願をしていただいた。

 夕刻、一同は伊勢に戻り、旅全体の直会(なおらい)を伊勢「一月家」にて行う。地元
からも直会にご参加くださり、一層賑やかなものとなる。ここで語り合った事(とても書
ききれない)は一生忘れ得ない思い出となった。またぜひ訪れたい、伊勢の皆様と語り合
いたい。その思いがただただ尽きない。「神領民の心意気」を心に刻み、笑顔の別れとな
った。

 この旅の企画段階より、南英雄さんには万事に渡りお世話になり、一同御礼を申し上げ
るとともに、種々の不行届きがあったことを深謝申し上げます。また、参拝前日より我々
に伊勢をご案内くださった地元同志の井村さん、宮崎さん、徳山さん、竹内さん、また宿
舎の「皇學館会館」でお世話になったご夫婦に、この場をお借りして改めて御礼申し上げ
ます。

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