茨城県笠間市が11月訪台時に台北市と「連携協定調」など3つの協定を締結

 本誌は「日台運命共同体」の象徴的なこととして、姉妹都市提携などの都市間提携や鉄道提携など誰にでも分かりやすい事例について紹介しようとつとめています。

 茨城県笠間市が台湾との交流を深めていることは本誌でも何度か紹介しましたが、このほど「台湾交流事務所開設5周年記念事業」と銘打ち、来る11月23日と24日、山口伸樹(やまぐち・しんじゅ)市長をはじめ、市議会議員16名、中学生親善大使12名など総勢80名ほどで台湾を訪問するそうです。

 11月23日には、これまで市内の中学校とオンラインでの英語授業などの交流を続けてきた銘傳(めいでん)大学と、語学交流や留学プログラムなどさらなる連携の深化を図るため「連携協定」の調印式を行い、翌24日には、観光誘客の取り組みに加え、産業・教育・文化・スポーツ、人的交流などさまざまな分野で、安定的に広く交流を図っていくため台北市と「連携協定」を締結する予定だそうです。

 この日はまた、これまで市内の小中一貫校とオンラインでの英語交流などを行ってきた台北城市科技大学と、学生のインターンシップの受け入れなどを中心とした相互の人材育成や交流の推進を図るため「連携協定」を結ぶそうです。

 2日間の訪台時に3つの協定を結ぶのはかなり意欲的な取り組みで、全国市長会副会長や茨城県市長会会長をつとめてきた現在5期目の山口市長の台湾への思いがあふれているようです。

 笠間市と台湾との交流は、2018年2月に2020年東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンに登録したことから始まりました。同年8月には台北市内に「台湾交流事務所」を開設し、2019年7月には台湾事務所開設一周年ということで台湾の農業委員会農糧署と「食を通じた文化交流と発展的な連携強化に関する覚書」を締結。

 その実践は、笠間市内のすべての小学校、中学校、義務教育学校の給食に台湾産バナナを提供するという形で表われました。以降、毎年11月に笠間市内の小・中学校や幼稚園の給食でバナナが提供されるようになり、近年はマンゴーやブンタン(文旦)も出されるそうで、昨年度からは「芯まで食べられる」と評判のパイナップルも加わっています。

 笠間市はその後、近隣の自治体にも呼びかけ、台湾からバナナを共同購入しては学校給食のデザートとして提供しています。

 12月6日、県内18自治体の学校給食において台湾バナナが提供されることになっていて、笠間市の山口市長は訪台のときに行われる「台湾バナナ出荷式(記者会見)」にも参加するそうです。

 学校給食に台湾の果物を提供する「交流給食」は、台湾に親しみを持たせる大きな効果をもたらしているそうです。茨城県も大井川和彦・知事自身が台湾との交流に力を入れていますので、この輪は茨城県ではさらに広がりそうな勢いです。

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