渡辺会長が「戸籍問題」の解決を求め齋藤健法務大臣に要望書と署名を送付

渡辺会長が「戸籍問題」の解決を求め齋藤健法務大臣に要望書と署名を送付

 本会の渡辺利夫会長は本日(1月26日)、戸籍問題の解決を求める本会の活動に賛同する署名(第24期)を添え、齋藤健(さいとう・けん)法務大臣に「台湾出身者の戸籍表記是正を求める要望書」を賛同署名とともにお送りします。下記に要望書をご紹介します。

 ご存じのように、現在、台湾出身者が日本人と結婚したり日本へ帰化した場合、また日本人の養子になるなど、その身分に変動があった場合、戸籍の国籍を「中国」と表記し、出生地を「中国台湾省」と表記しています。台湾出身者を中国人としているのが日本の現在の戸籍制度です。

 そのため、日本に嫁いだある台湾人女性は、結婚したことを台湾の戸籍に登録する際、国籍表記が「中国」となっているため日本の戸籍謄本がそのまま使えず、当事者があえて「中訳文」で国籍欄表記を「台湾」に書き換え、誤魔化さなければ台湾の役所で受理してもらえないなどの実害が生じています。

 また、次のような悲惨な事例も報告されています。

 ある台湾人の家族が日本で事故に遭って亡くなりました。遺族は台湾から日本の事故現場に駆けつけて遺体の身元確認を行い、死亡証明書を申請しました。ところが、日本の区役所が発行した戸籍謄本と死亡届の記載事項証明書には亡くなった家族の国籍が「中国」となっていたため、遺族は帰台後に台湾で死亡登録ができず、遺骨を安置できなかったそうです。そのため、遺族は息子さんを亡くした悲しみに耐えながら、もう一度台湾から日本へ行き、区役所に書類の訂正、訳文、認証の申請を行い、ようやく台湾で死亡手続きを済ませたそうです。

 日本政府の独特な公文書規定のために日本と台湾を往復させられ、その費用も時間もかかったことは、極めて理不尽なことです。

 このように、行政上の手続きにおいて混乱や不便をもたらしているのが、現在の日本の戸籍制度なのです。行政上ばかりでなく、安全保障に関わる懸念も出てきています。

 台湾出身者の国籍を「中国」としていることは、中国が主張する「一つの中国」を日本が公文書で承認している証と見做されかねません。これによって、日本が「重要なパートナー」と認める台湾との信頼関係を損ねかねず、安全保障上からも由々しき事態を招く恐れが出てきています。

 公文書である住民票で、台湾から転入してきたときに前住所を「中華人民共和国」や「中国(台湾)」と表記することにも、戸籍と同様の懸念が生じます。

 本会は2010年11月以来、台湾出身者の人権問題でもあるこの戸籍問題の解決に努め、法務大臣に台湾出身者は「台湾」と表記するよう強く要望してまいりました。賛同署名も4万人を超えています。台湾との共存共栄を願う私ども日本李登輝友の会は、法務省が台湾出身者を「台湾」に改めるまで、この活動を続けて参ります。いっそうのご支援をお願いします。

◆本会ホームページ:台湾出身者が「中国」とされている戸籍問題の解決を! http://www.ritouki.jp/index.php/recommendations/koseki/

◆本会のネット署名にご協力を! https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/a5gxiadcmygj*署名に国籍制限はありません。誰でも、世界中どこからでも署名できます。*本会署名は、氏名及び住所の記載を要請する請願法に基づいた正式署名です。

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                                     令和5年(2023年)1月吉日

法務大臣 齋藤健殿

                                  日本李登輝友の会会長 渡辺 利夫

               台湾出身者の戸籍表記是正を求める要望書

 私ども日本李登輝友の会は、文化交流を主とした日本と台湾の新しい関係を構築することを目的として活動している民間団体です。

 法務省はこれまで、台湾出身者が日本人と結婚したり帰化した場合、戸籍の国籍を「中国」と表記し、出生地を「中国台湾省」と表記してきました。中国とは中華人民共和国のことです。台湾ではすでに台湾省が廃止され、「中国台湾省」とは中華人民共和国の行政区ですから、台湾出身者を中国人としているのが現在の戸籍制度です。

 戸籍において、台湾出身者の国籍を「中国」としたのは、昭和39年(1964年)6月19日付で出した法務省民事局長による「中華民国の国籍の表示を『中国』と記載することについて」という通達でした。このことは政府も、平成23年(2011年)8月19日付で出した菅直人総理の「答弁書」で明確に認めています。

 昭和39年といえば、いまから約60年も前のことで、アジア初のオリンピックが東京において開催された年であり、日本が中華民国と国交を結んでいた時代のことです。しかしその後、日本は中華民国と断交して中国と国交を結ぶなど、日本と台湾、日本と中国の関係は大きく変わってきています。

 日本政府は、平成17年(2005年)9月に台湾観光客への査証(ビザ)免除を恒久化し、2年後の平成19年(2007年)9月には台湾と自動車運転免許証の相互承認を行い、台湾と中国を区別した対応をしています。

 また、平成24年(2012年)7月9日には、外登証を廃止し新たな在留カードの交付に際して「国籍・地域」欄を設け、台湾出身者を「中国」から「台湾」に変更して明記するようになりました。同時に実施した外国人住民基本台帳でも「国籍・地域」欄を設け、台湾出身者を「台湾」と表記するようになっています。台湾が官民挙げてこの措置を歓迎していることは周知の通りです。

 これまで中華人民共和国が台湾を統治した事実はなく、台湾を自国領と主張するのは、尖閣諸島を自国領と主張することと同じで、台湾統一を正当化するための中国の一方的な主張にすぎません。事実、これまで日本は中国の主張を認めたことは一度もありません。それにもかかわらず、この状態を放置しておくことは、中国が主張する「一つの中国」を日本が公文書で承認している証と見做されかねません。これによって、日本が「重要なパートナー」と認める台湾との信頼関係を損ねかねず、安全保障上からも由々しき事態を招来することが危惧されます。

 法務大臣は率先して人権を尊重する立場にあり、台湾出身者の人権を守らなければなりません。また、法務省内や関係省庁の統計表記との整合性をはかるためにも、台湾出身者の戸籍表記を、在留カードや外国人住民票と同様に「中国」から「台湾」に改めるよう強く要望します。

 併せて、ここに私どもの要望に賛同する署名(第24期)1,257人分を呈します。この賛同署名は、平成23年11月の第1期以来、4万42人分の署名を要望書とともにお届けしていることを申し添えます。

──────────────────────────────────────※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。

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