欧州議会外務委員会が駐在機関の名称に「台湾」を入れる改称案などを可決

欧州議会外務委員会が駐在機関の名称に「台湾」を入れる改称案などを可決

 米国はトランプ政権で中国の覇権的な海洋進出などの「深刻な懸念」に対抗する経済や安全保障に関する政策を次々と打ち出し、台湾との関係強化を図ってきた。その合言葉は、安倍晋三首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」で、米国はそれを戦略として共有し、11回に及ぶ台湾への武器供与として実行した。バイデン政権も「自由で開かれたインド太平洋」戦略を踏襲した。

 この中国への「深刻な懸念」は、「台湾海峡の平和と安定」という理念とともに、3月の日米安全保障協議委員会(2+2)から6月のG7にかけ、日米や英国やオーストラリアのみならず、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)でも共有されるところとなった。最近のオーストラリアとフランスの外務・防衛閣僚会合(2+2)でも共有されている。

 加えて、今度は欧州議会外務委員会が「中国が軍事的な手段を用いて台湾を脅かそうとすることに懸念を示し、中国に対して台湾海峡の安定を破壊するすべての活動を中止するよう求めると共に、台湾海峡両岸関係の変化は、台湾の人々の意思に反していけないと主張」する報告書を可決したという。

 この背景には、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)加盟国のリトアニアが台湾による台湾名義の代表処設置に同意したことで、中国が理由を説明しないままリトアニアからの木材や農産物などの輸入に規制をかける経済制裁を発したことへの反発がある。

 そこで、欧州議会外務委員会の報告書には「ヨーロッパ連合の台湾における出先機関、『欧州経済貿易事務所(European Economic and Trade Office)』の名称を『ヨーロッパ連合駐台湾事務所(European Union Office in Taiwan)』に改名するよう促す」ことも含まれているそうだ。下記にその記事をご紹介したい。

 日本発の「自由で開かれたインド太平洋」構想は、「中国への深刻な懸念」と相まって、いまや北欧を含むヨーロッパにまで及び、一方、日本が主導する「太平洋・島サミット」や「日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)」で太平洋島嶼国家にも及ぶようになっている。日本は安全保障対話ができるよう「重要なパートナー」台湾との関係をしっかり固めたいものだ。

—————————————————————————————–欧州議会外務委員会、台湾駐在機関の名称に「台湾」を入れると提案【台湾国際放送:2021年9月2日】https://jp.rti.org.tw/news/view/id/94048

 欧州議会外務委員会が1日、史上初めてのヨーロッパ連合と台湾との関係に関する報告、「ヨーロッパ連合・台湾政治関係および協力関係」と題した報告の草案と改正案を圧倒的多数で可決しました。この報告では、中国が軍事的な手段を用いて台湾を脅かそうとすることに懸念を示し、中国に対して台湾海峡の安定を破壊するすべての活動を中止するよう求めると共に、台湾海峡両岸関係の変化は、台湾の人々の意思に反していけないと主張しています。

 また、ヨーロッパ連合に対して、国際社会との連携を強化し、台湾海峡の平和と安定を維持し、台湾の民主主義を守り、台湾を「インド太平洋地域における協力のためのEU戦略」のパートナーに入れるよう呼びかけています。

 この報告は、さらに、ヨーロッパ連合に対して、台湾と最高レベルの政府間交流を行うよう求め、ヨーロッパ連合の欧州委員会に対しても、年末までに「相互投資協定」の締結に向けて準備作業を始めるよう呼びかけています。

 1日に可決された同報告の改正案には、欧州連合のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表に対して、ヨーロッパ連合の台湾における出先機関、「欧州経済貿易事務所(European Economic and Trade Office)」の名称を「ヨーロッパ連合駐台湾事務所(European Union Office in Taiwan)」に改名するよう促すことが含まれています。

 もう一つの改正案では、欧州議会が、リトアニアが台湾による台湾名義の代表処設置に同意したことを支持、歓迎することを強調し、中国がそれを理由にリトアニアに対して経済制裁を実施したことを非難すると共に、外務・安全保障政策上級代表と欧州連合理事会に対し、適切な行動をとってリトアニアを応援するよう求めています。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。

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