李登輝閣下の教え─李登輝元総統を表敬訪問して  森靖喜(岡山李登輝友の会顧問)

本会理事の藤原一雅(ふじわら・かずまさ)氏が支部長をつとめる岡山県支部(略称:
岡山李登輝友の会)が去る11月15日から18日まで、支部初の訪台団として李登輝元総統を
表敬訪問し、親しくお話を伺った。また、宜蘭などにも足を運んだ。

 参加した森教育学園理事長の森靖喜(もり・やすき)氏から、李登輝元総統にお会いし
た感想を送っていただいたのでご紹介したい。

 李元総統のご講話は2時間近くにもおよび、福沢諭吉の『学門のすすめ』を中核に、尖閣
諸島問題や日本の課題など縦横無尽だったという。参加者は大満足だったそうで、その感
激は森氏の感想にもよく表れている。

 なお、現在、本会支部は都道府県を単位に24ヵ所あるが、これまで新潟、愛知、岐阜、
福井などが支部として訪台、李元総統を表敬訪問している。1月には大阪と千葉が表敬訪問
を予定している。


李登輝閣下の教え─李登輝元総統を表敬訪問して  森靖喜(岡山李登輝友の会顧問)

 藤原一雅・岡山李登輝友の会会長ご夫妻と私ども夫婦など計11名が11月15日から3泊で訪
台。16日にはさっそく李登輝閣下のご講義に接することが出来た。昨年5月にお目にかかっ
た時よりも、お顔の色も良く、お元気そうで一安心したものである。

 10年ほど前、初めてお目にかかった時の御講義は、自著の『武士道「解題」』に基づ
き、自らの台湾総統への道筋においていかに宗教心、日本の武士道に支えられたか、とい
うお話であった。

 これは私の勝手な想像であるが、その道筋は想像を超える困難なものであったと思われ
る。蒋介石政権の戒厳令下から、初の民主的な選挙によって総統に就任するという劇的な
改革への道であり、国民党からは「裏切り者」のレッテルを張られ、暗殺の危険すらあっ
たと思われる。それを乗り越えて、台湾人のための台湾政府を民主的な手続きを経て総統
に就任する、その強靭な意志には神々しささえ覚えたものである。

 私は当時、(学)森教育学園、岡山学芸館高校・清秀中学校の2代目理事長・校長として
学園の改革に着手しており、私学は独自の価値観で教育するために存在している、その為
の教育理念を建学の精神に基づいて確立せねばならない、戦後の左翼的言語空間に支配さ
れている教育界から、どうすれば「誇りある日本人」を育成できるか、道徳教育という言
葉だけで「拒否反応」する風潮をいかに克服するか、と悩んでいた時、李登輝閣下の「日
本人精神・武士道は今世界で通用する最高の倫理観」であり、台湾人は50年間その精神で
日本人としての教育を受け、大陸とは全く異なる倫理観・感性を持つにいたった。

 日清戦争後の50年間の日本の統治は武士道精神に基づく素晴らしいもので、台湾近代化
の基礎を作った、という御講義に元気付けられ、自信を持って本学園の教育理念を策定で
きた、という経緯がありました。

 台湾の戦後の悲劇的事件である「2・28事件」は、高い倫理観を培ってきた台湾人と、倫
理に欠ける大陸から敗残兵の対立であったのであろう。

 今回は福沢諭吉の『学門のすすめ』の「心事の棚卸し」を引用し、日本は戦後67年を
「棚卸し」せねばならない、という講義であった。諭吉は「商売に一大肝要なるは、平日
の帳合を精密にして、棚卸しの期を誤らざるの一事なり」と云っているが、それは個人や
商売だけでなく、国家も同様であり、日本の内外の課題とその処方を的確に示された。

 現在日本の最大の課題は、支那共産党の尖閣諸島領有化政策にいかに対応するかにあ
る。その支那では成金は威張るのが常で、隣国に干渉し、脅かし、ウソをつき、南シナ海
も尖閣も沖縄も脅しで我が物にしようとしている。支那も台湾の馬政権も、石油資源を狙
って、それぞれの領土だというが、その歴史的根拠・事実はない。日本は「尖閣は日本の
領土、死守する」とはっきり世界へ発信せよ。支那へは自虐的態度では通用しない。それ
には教育が大切である。

 20年前のバブル崩壊後のデフレで、日本が世界に占めるG・D・Pは低下し、そこへ東
日本の大震災である。過去22年で首相は今回で18人目、これでは政策は打ち出せない。こ
の20数年間何ら有効な政策を打っていない。

 課題は、1)政治的能力の欠如。日本人精神はトップであるから、政策さえうまくやれ
ば再生できる。リーダーシップが必要だ。2)日本国民には日本人精神があるが政治家に
はない。震災時、菅首相のようにヘリコプターからでは国民の苦しみは分らない。天皇・
皇后両陛下を見習ったらどうか。日本国民の幸せは国民と苦楽を共にされる天皇陛下の存
在である。天皇陛下に靖国神社へ是非参拝して頂きたい。皇后陛下に手紙でお願いしたい
と思っている。3)デフレなのに増税をしてはならない。4)日本は米国国債を80兆円持
っている。日本銀行が立て替えて財源とせよ。5)中央の政治体制を道州制・連邦制に。
6)孔子は「生を知らずして何で死を知るか」と言うが、論語にも間違いがあり、日本で
はこれをカットして伝えている。これでは生きることだけに集中し、「嘘つき」「汚職」
にもなる。日本人精神とは異なる。日本の若者は情報過多でバーチャルの世界におぼれて
いる。7)台湾と日本の結ぶ絆は、後藤新平の「人の世話をせよ」「人の世話になるな」
「世話をしても見返りを求めるな」に代表される日本人の心・精神である。

 いつもながら、閣下ほど知日・親日の外国のプレジデントはこの世に存在しない、日本
人はこの事実を含めて「棚卸し」をせねば、日本の再生はおぼつかない、と再確認した訪
台であった。初めて李登輝閣下にお目にかかった家内が、すっかり李登輝フアンになり、
閣下のお手を握りしめて記念撮影したことを申し添えておきたい。


森靖喜(もり・やすき)昭和16年、岡山市生まれ。明治大学大学院修了後、同43年から金
山学園(現・岡山学芸館高校)の教諭、岡山市教育委員長などを歴任。現在は岡山県私学
協会長、学校法人・森教育学園理事長、岡山学芸館高校・清秀中学校学園長。専門は政治
学。趣味はガーデニング、ゴルフ、読書。
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