我が国と台湾の自由と民主主義は不可分である[衆議院議員 西村真悟]

我が国と台湾の自由と民主主義は不可分である[衆議院議員 西村真悟]
台湾を基点とすれば我が国周辺の国際情勢は見事に明らかになる

 メールマガジン「西村真悟の時事通信」10月9日付の第249号に、「我が国と台湾の自由
と民主主義は不可分である」と題した西村真悟議員の論考が掲載され、台湾を基点とすれ
ば我が国周辺の国際情勢が明らかになることを喝破している。
 「台湾の危機は、我が国の危機である。台湾が中国に飲み込まれるということは、自由
と民主主義の我が国の隣国が消え去るということである」という指摘に、まさに我が意を
得たりとの思いを強くした。
 「西村真悟の時事通信」購読している方も少なくないかとは思うものの、さらに多くの
方に台湾の現状と日本の関係を知っていただきたく、下記に転載紹介する次第である。
                                   (編集部)


我が国と台湾の自由と民主主義は不可分である 西村真悟

【「西村真悟の時事通信」No.249 平成18年10月9日(月)】

 安倍総理が、中国と韓国を訪問している今、七日と八日の二日間にわたって台湾を思い
見つめる機会に恵まれた。

 伊原吉之助先生からは、マスコミに現れない台湾情勢について極めて有益なご教授をい
ただいた。心よりお礼を申し上げたい。

 さて、台湾を基点とすれば、我が国周辺の国際情勢は見事に明らかになるのである。即
ち、アメリカと中国の隠れている部分を観ることができる。そして、この隠れている部分
こそ、我が国の将来に重大な影響を与える部分なのだ。

 私は、台湾が隣に存在するのに見て見ぬ振りをする我が国の政治は、重大な錯誤に陥っ
たまま、国家運営の適切な判断ができなくなるのではないかと危惧するのである。

 安倍総理の訪中の中身を詳しく知る以前にも分かることは、この訪中は、総理就任の挨
拶回りであり、その挨拶回りの最初に中国を選んだと中国は宣伝して「よく来た」と満足
顔であるということである。従って、この度の訪中で日中「友好ムード」が流れることは
確かである。

 しかし、日中友好ムードが流されている時こそ、将来の禍根が植え付けられる悔いの残
る時期だということは、それこそ日中関係の「歴史を鑑とすれば」明らかであろう(気が
つけば、反日の核軍事大国が隣にできていた。共産主義者を信用してはならない)。

 そこで、このような友好ムードの時こそ、台湾から中国を見れば、その本質が明らかに
なるのである。

 「高度経済成長」を続ける中国の国家が分解しかねない危機的実情の側面については多
くの書物が出版されているが、剥き出しの力の信奉者という中国の側面については、台湾
から見ればよく分かる。そして、中国のもつこの二つの側面を総合すれば、我が国の運命
にかかわる東アジアの現実的危機がよりよく実感できると思う。

 台湾は現在、陳水扁総統辞任要求のデモや座り込み、そしてゼネストの動きなど、政治
的危機に陥っている。陳総統の娘婿が蓄財したとの疑惑が持ち上がり、連日マスコミで騒
がれたからである。台湾の有力マスコミは、大陸系であるから、この陳総統疑惑を煽って
いるのは大陸つまり中国であることは間違いない。

 そして、中国は、この台湾の政治的危機を受けて、九月に「台湾局勢観察組」という台
湾情勢を観察する組織を共産党中央に設置して、中央軍事委員会や公安警察と武装警察に
十月三十一日までの休暇停止命令を出している。

 これは何を意味するか。

 台湾の政治的危機が爆発して争乱が起これば(起こせば)、治安維持を名目に台湾に部
隊を進攻させる為である。百十年前に朝鮮半島での東学党の乱をきっかけに、中国がすか
さず朝鮮に兵を進めたことが思い起こされる。

 さて、陳総統の人気低落の要因は、公約した台湾路線を離れて中華路線に迎合したこと
だと言われている。しかし、本年に入り、陳総統は、憲法を制定すること、台湾名での国
連加盟を実現すること、中国大陸への投資を抑制することを打ち出して、台湾路線を明ら
かにした。

 しかし、アメリカ国務省報道官は、直ちに「一方的な現状の変更反対」とのコメントを
だして中国に迎合した。そして、大陸系マスコミが、陳総統の身辺疑惑を書き立てて辞任
要求を突きつけ、辞任の国民運動が起こっている。

 このなかで、我が国は台湾情勢に無関心であり、安倍訪中で日中友好ムードが醸成され
ているのだ。

 中国は、一貫して台湾武力併合方針を堅持して核ミサイル開発に邁進し、人民解放軍幹
部は台湾併合時にアメリカが干渉すればアメリカへの核攻撃もありうると公言している。

 そのアメリカは、中国に迎合して、台湾を見放したような態度をとっている。

 さらに、日本は無関心もしくは思考停止である。

 これこそ、既に危機を呼び込む構造そのものではないか。

 台湾の危機は、我が国の危機である。台湾が中国に飲み込まれるということは、自由と
民主主義の我が国の隣国が消え去るということである。そうなれば、我が国を存続させて
いる海即ちシーレーンが中国の人民解放軍に握られる。即ち、我が国は、中国のご機嫌を
取って初めて存続し得る中国の属地化への道に入るのである。

 この事態、断じて受け入れることはできないではないか。

 我が国政治の大勢が、台湾の今ある危機に無関心である現状を見て、ここに指摘する次
第である。

 次に、人民解放軍が台湾海峡を渡る事態がなかったとしても、次の総統選挙で、中国国
民党が台湾の総統を握れば、台湾は二度と再び、台湾路線に戻れない。つまり、中国に併
合され台湾は消滅する(第三次国共合作)。その動きの中では、白色テロが復活して、如
何に台湾国民が反対でも手遅れなのだ。

 幸い、台湾系のマスコミには、陳水扁辞任要求は「誰のために?、何のために?、あと
、どうするつもり?」という意見が表れ始めたという。この台湾国民の良識とバランス感
覚を切に望む。

 それと同時に、我が国は、自らのこととして、台湾の自由と民主主義が確保され永続す
るよう為すべきことは為すと覚悟を新たにしなければならない。日米同盟は、この為にあ
る。

 安倍総理の任務は、このことを、ブッシュ大統領と早急に詰めることなのだ。

 最後に、アメリカの政情について。

 伊藤貫氏の「中国の核が世界を制する」(PHP)にも詳しく書かれているが、民主党
のクリントン前大統領夫妻の懐には、中国共産党の人民解放軍の莫大な資金が入っていた
。ワシントン政界では、中国のロビー活動と工作活動が盛んであり効果を発揮している。
従って、次のアメリカの大統領選挙の結果次第では、中国共産党に操られ迎合するアメリ
カ大統領が出現するということになりかねない。そうなれば、米中は、日本の頭越しに手
を握る。

 以上の通り、台湾を基点にして米中を見渡せば、今我が国が、真の独立国家としての体
制と政治力を形成しなければならないということは、国家存立のための急務であることが
明確になっている。(了)

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