台湾地方都市のロングステイ計画  山本 勲(産経新聞中国総局長)

産経新聞の台北支局長だった山本勲氏は、さきごろ中国総局長(北京支局・上海支局)
に就いた。仄聞するところによると、もともと山本氏は中国総局長に就任予定で台北支局
長に赴任したが、台湾に住んでいた2年余の間に台湾の魅力にはまったという。

 中国へ赴任することが決まってからは送別会の連続だったそうで、李登輝元総統へ退任
挨拶に行った際は長時間にわたって懇談し、蔡焜燦先生ご夫妻も送別会を開かれたという。

 北京に赴任直前、山本氏は台湾の友人の強い薦めで、保養地として有名な「台湾のヘソ」
とも呼ばれる南投県の埔里鎮に赴いたところ、気候、風光、食べ物、名産の紹興酒など、
すべてにおいて噂にたがわぬ「魅力満点」の土地柄だったと、手放しの褒めようだ。

 そして日本と台湾は「お互いの絆を強め、中国の独断専行を許さないためにも、ロング
ステイを通じた民間交流をさらに促進すべき時ではないだろうか」との感想を伝えてい
る。昨日の産経新聞から紹介したい。

 ちなみに、立法委員(国会議員に相当)の馬文君さんは昨年まで埔里鎮の鎮長を2期8年
に亘ってつとめていたが、大の日本びいきで、鎮長時代によく秋田県を訪問してはロング
ステイの案内などをしていた。埔里は、この馬鎮長時代にロングステイ事業を始めた。


台湾地方都市のロングステイ計画  山本 勲(産経新聞中国総局長)
【産経新聞:平成23年(2011年6月28日)

◆民間交流促進のためにも応援したい

 台湾中部、南投県の埔里鎮という人口約9万人の山間の町が、日本人を対象としたロング
ステイ事業に力を入れている。還暦を過ぎ老後を考え始めた筆者も2年余りの台北駐在を終
えるに当たり、台湾の友人の強い薦めで現地を訪れてみた。結果は気候温暖、風光明媚(め
いび)、食べ物はおいしく、まさに魅力満点だった。台湾の人々の親日ぶりは東日本大震
災での熱い支援でも再確認された。中国の急速な台頭に押されている日本と台湾の連携強
化がますます重要になっている折から、民間交流拡大の一環としてもこうした地方小都市
の試みを積極的に応援したいものだ。
                 
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 埔里は中央山脈にぽっかりと空いた盆地にあり、台湾本島のちょうど真ん中に位置して
いる。台北から南へ高速鉄道で台中駅まで約50分、さらにタクシーかバスに乗り換え、そ
れぞれ45分〜1時間で到着する。四方を緑豊かな山に囲まれ、さわやかな大気に包まれると、
なにやらおとぎの国か桃源郷に来たような安らぎを感じる。喧騒(けんそう)と排ガスの
台北から2時間で、まるで別世界だ。

 町の面積は約160平方キロメートル。標高380〜700メートルの高地にあるだけに、冬は暖
かくて夏は涼しく、年間平均気温は摂氏23度。夏の最高気温も30度を超えず、冬の最低も10
度を下回らない(地元気象台統計)。高齢者の滞在に適した気候だ。

 埔里の最大の魅力は、その美しい自然とおいしい水にある。地元、埔里酒廠の紹興酒は
さわやか、まろやかな香りに包まれ、筆者がこれまでに味わった中国、台湾各産地の中で
も最高の部類に属する。

 その水で有機栽培したマコモ、大根、サトウキビなどの新鮮な野菜、抗がん作用もある
地元産アガリクスやシイタケなどは美味かつ健康増進にもってこいと言えよう。花栽培も
盛んで、花に集まる蝶の種類は350種類以上(南投県政府)という。

 「埔里盆地の地形が蓮華の座のような形をしている」(同)ためか、「宗教の修行に適
した磁気スポット」(地元住民)なためかは定かでないが、ここには仏教、道教、キリス
ト教などの寺や廟、教会が集中している。毎日の参拝、礼拝はもちろん、気功、太極拳で
心身を鍛錬するにも適している。近くには台湾有数の景勝地、日月潭や紅葉、ホタル観賞
で人気の奥万大国家森林遊楽区もある。

 ロングステイ地として魅力満点の埔里鎮だが、日本人誘致に名乗りをあげてすでに7〜8
年になる。これまでに約1000人を受け入れたそうだが、第1号の日本人老夫婦が欠点をあげ
つらい台湾マスコミで大問題となるなど、初期にトラブルもあった。

 習慣の違いや台湾の暮らしに不案内な日本の高齢者に対するオリエンテーションの不足
もあったようだ。そこで地元出身で日本駐在経験7年の洪文能氏(59)を南投県の観光処長
に起用するなどして、日本人の嗜好(しこう)に応じた多様な生活プランを用意、病院や
娯楽活動などでのボランティアの日本語スタッフも大幅に拡充した。

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 埔里鎮当局によると、標準的なロングステイ向けコンドミニアムは約100平方メートル、
寝室2つ、応接間、風呂などから成り、冷蔵庫やレンジなど生活用具一式を備えて月家賃が
1万5000台湾元(約4万2000円)。食費、娯楽費など含めた月の生活費は4万8000元で済むと
いう。ネットなどにみる体験者の評価も良好だ。

 東日本大震災の被災者向けに埔里の4つのホテルと6つの民宿が、1〜2部屋を2週間から2
カ月のレンジで無料提供する計画もある。10年近い試行錯誤の経験を経て埔里のロングス
テイ事業はかなり軌道に乗ってきたようだ。

 台湾ではほかにも風光明媚な花蓮や古都、台南、温泉の宜蘭、最南端、屏東の各県など、
魅力的なロングステイ候補地が少なくない。近隣で台湾人ほど日本人と心が通い合う人々
はいない。その日台が中国の急激な台頭で地域の安全や領土、領海を脅かされている。お
互いの絆を強め、中国の独断専行を許さないためにも、ロングステイを通じた民間交流を

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