バイデン政権が台湾に5度目の武器供与を発表

バイデン政権が台湾に5度目の武器供与を発表

 米国のバイデン政権は7月15日、台湾へ、戦車や戦闘車両を補修するための整備に関する技術支援と関連装備として、総額1億800万米ドル(約150億円)規模の供与を承認して議会に通知したと発表しました。政権発足後、5度目の武器供与となります。

 バイデン大統領の就任以前は危ぶまれていた台湾への武器供与ですが、政権発足後7ヵ月を経ずして1回目の武器供与が発表され、今年に入ってからは2月、4月、6月、7月と矢継ぎ早に発表され、就任前の危惧はまったくの杞憂に終わっています。

 加えて、バイデン大統領は台湾防衛に軍事的に関与すると何度も発言しています。つい最近は、5月23日の日米首脳会談後に行われた共同記者会見のときの発言を思い出します。これは、日米首脳会談後に行われた岸田文雄総理との共同記者会見という状況からも、決して失言ではなく、米国の「曖昧戦略(Strategic Ambiguity)」をバイデン流に強化したものと思われます。

 発言の真意は、中国に米国は台湾有事へ軍事的介入をすると思わせることで、台湾侵攻を踏み止まらせることにあるのではないかと思われます。下記にバイデン政権のこれまでの台湾への武器供与をご紹介します。日米首脳会談後の共同記者会見以降、2回も武器を供与していることからも、米国の曖昧戦略に変化がないことが見てとれます。

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・1回目:2021年8月4日 155ミリ自走榴弾砲40輌や弾薬補給車20輌、先進野戦砲兵戦術情報システム1組などなどの供与について議会に 通知。

・2回目:2022年2月7日 5年間にわたるミサイル防衛システムの維持、保全、改良を目的とした計画のための軍事関連装置とサービス を供与することを承認して議会に通知。

・3回目:2022年4月5日 地対空ミサイル「パトリオット」に関する訓練や保守などの技術支援や関連装備の供与を承認して議会に通知。

・4回目:2022年6月8日 中国軍の航空機や船舶による台湾周辺の海域や空域での活動が活発化していることから、軍艦を適切な状態に 維持するのに役立つ艦艇用の部品や関連装備など1億2000万米ドル(約160億6600万円)の供与を承認して議会 に通知。

・5回目:2022年7月15日 戦車や戦闘車両を補修するための整備に関する技術支援と関連装備として、総額1億800万米ドル(約150億円) 規模の供与を承認して議会に通知。

—————————————————————————————–米、台湾に戦車装備売却と技術支援へ 150億円規模 総統府が感謝表明【中央通信社:2022年7月16日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202207160001

(ワシントン中央社)米国防総省傘下の国防安全保障協力局(DSCA)は15日、国務省が台湾の戦車や戦闘車両の整備に関する技術支援と装備の売却を承認したと発表した。総額1億800万米ドル(約150億円)規模。米国による台湾への武器売却は、バイデン大統領就任後としては5回目となる。

 同局は声明を出し、台湾の現在と将来の脅威に対応する能力を増強し、軍事力を維持する他、米国とその他のパートナーとの相互運用性をさらに強化すると指摘。台湾の安全性を高め、地域の政治的安定や軍事バランス、経済発展の維持に寄与するとした。

 総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は16日、米国が「台湾関係法」や「6つの保証」に基づき、継続して台湾の防衛需要を高く重視していることの表れだと強調。台湾への安全保障の約束を果たしていることに改めて感謝を示した。

(江今葉/編集:齊藤啓介)

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