【李登輝学校の感想】多くの人に伝えたいと決心したこと[茨城県 大村 元経]

【李登輝学校の感想】多くの人に伝えたいと決心したこと[茨城県 大村 元経]
【8月28日 メルマガ「台湾の声」】

 私は先日8月16日から19日にかけて行われた、第7回李登輝学校研修団に参加してきま
した。

 ちょうど台風に見舞われスケジュールが何度も変更になったりしてあっという間に過
ぎ去った感がしていますが、内容は非常に充実したものであり、まさに私の一生に残る
最高の研修旅行となりました。

 研修の中で学び得たことは枚挙に暇がないのですが、個人的に特に強く意識し、また
今後できるだけ多くの人に伝えたいと決心したことが2つあります。

 1つは、李登輝先生も敬愛される後藤新平の「人のお世話にならぬよう、人にお世話
をするよう そして酬いを求めぬよう」という「自治三訣」の思想は本当に大切で尊い
ものである、ということです。

 研修内の講義の中でも、他の参加者の方々との会話の中でも、中国の「最初は歓迎、
歓待しておいて後で脅しをかけて籠絡する」工作活動の話が非常に多く出てきました。
私はこれをいわゆる「ひも付き援助」という言葉での「ひも付き」(の交流、ビジネス
等)ととらえています。

 この「ひも」というのは単に相手と自分とを繋ぎとめておくためのひもではなく、相
手を縛り、相手の自由を奪うための「ひも」であり、中国政府の交流、親善活動などの
コミュニケーションはほぼ全てが「ひも付き」と言っても過言ではないと思います。

 また、『李登輝学校の教え』の中(132頁)で李登輝先生は「私は(議員をしていた)
父に『僕に人を推薦してはいけない』と言っていた。」「父が亡くなる前、私は『あり
がとう。父さんはあの晩以降、一度も事業関係の人を僕に紹介しなかった。だから僕は
自由に存分に仕事することができた。ほんとうに助かった。感謝します』と心から礼を
言ったんです。」という話をされていますが、このようにたとえ善意からであっても時
として(お世話をした)相手にとっては「ひも」ができてしまうこともあり、自治三訣
の「そして酬いを求めぬよう」というところが非常に奥深く、厳格で、そして尊いもの
であると悟りました。

 2つ目は「台湾という国、台湾人という人々と接する時にはできるだけ正しい知識の
下に厳密に見分け、接していく必要がある」ということです。

 私は今回初めて台湾を訪れ(そもそも海外旅行自体初めてだったのですが)ましたが、
事前に『ゴーマニズム宣言 台湾論』などで知識を仕入れていてもなお、飛行機の会社
名が「チャイナエアライン」であったり、お札に「中華民国」と書いてあったり、店員
さんが「ニーハオ、シェイシェイ」と言っているのを目の当たりにすると、当惑と混乱
が少なからず生じてしまいました。

 今回は研修団のスタッフの皆様が最高、最良のガイドとして導いて下さったおかげで
すぐに混乱も収まりましたが、そのような正確な知識の無い人たちには「中華人民共和
国」「中国人」と「中華民国」「台湾」「台湾人」を峻別するのは非常に困難であると
思いました。

 そして中国政府はその混乱に必ず食い込んできて真実ではなく自らのプロパガンダを
流して籠絡しようとするのだと身をもって理解しました。

 私はITエンジニアとしてサーバの管理などをやっていますが、私の会社の社長の教
えに「プロとは厳密である必要がある」というのがあります。

 膨大な数の交配を繰り返し蓬莱米を生み出した末永仁(すえなが めぐむ)など、特
に昔の日本の偉大な技術者は非常に精密、厳密に物事を峻別し、地道な努力を積み重ね
て偉大な業績を成し遂げましたが、今の台湾、台湾人と接する上でも正確な知識と厳密
に峻別する力が必要とされていることが分かりました。

 そして台湾という国、台湾人という人々はその努力に見合った「ひも付き」ではない
見返りを必ずや与えてくれると確信しました。

 今回の研修旅行では施設を見学したり、店で買い物をしたり、一流の先生方から授業
を受けたり、参加者の方々と話をするたびに毎回新しい発見があり、それらを吸収し、
またそれらに呼応するために心よりもむしろ脳がどんどん活性化されていくことを実感
しました。

 台湾の声で紹介されていた『トラベル台湾語』も出発日の前日にようやく手に入れて
読んでみて、結局「多謝(トヲーシャー)」ぐらいしか使えませんでしたが、それだけ
でも本当にファミリーマートの店員さんが笑顔で応えてくれたり、本屋のアルバイトと
思われる女の子二人が「おお、台湾語を話したよ〜」という反応を見せたり、宿泊施設
の人に「シェイシェイ、トヲーシャー」と鍵を返したら「シェイシェイ、ドウモアリガ
トウ」と返してくれたりしてそのことが一番印象に残り、嬉しかったです。

 先の黄昭堂先生の「台湾人のことば」の中で「ここのところは、台湾人意識の高揚に
敬意を表しつつ、不便をかこつしかないだろう。」という部分がありましたが、私はむ
しろこれほどまで台湾人の心の奥底に潜り込めて真の交流を持つのに便利な言葉はない
だろうと思います。

 それは日本人側にとっても真実に接し、自分の知識、視野を広げ、開放し、自由にな
る道となるでしょう

 (しかし、もし中国政府のプロパガンダに食われてしまい「台湾は中国の一部だから、
台湾人はそのまま北京語で通してればいいじゃないか」と思っていてはこの道は閉ざさ
れてしまうことになり、この点においても許されることではないと考えるようになりま
した)。

 だから、私は台湾に旅行に行く人全員に政治的な部分を抜きにしてもこのことを力説
し、勧めていきます。

 一見すると非常に混沌として矛盾に満ち、混乱を招きかねないものの、それを注意深
く見極め、接していけば必ずそれに応えてくれ、自分を高め自由にしてくれる、そして
特に日本人にとっては(地理的、歴史的などあらゆる面で)特権的とも言えるほど開か
れている国、それが台湾であると今回の研修で悟りました。

■メルマガ「台湾の声」では「李登輝学校で学んだこと」と題していましたが、本誌転
 載では改題しました。また、「自治三決」の決を訣に、末長仁の長は永に訂正するな
 ど、少し手を入れさせていただきました。それにしても、読んでいて決意のほどがよ
 くよく伝わってくる感想です。                   (編集部)

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