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「統一か独立か悩む台湾」東外大読売講座 三尾裕子教授が講義

【5月13日 読売新聞】

 東京外国語大学と読売新聞立川支局共催による連続市民講座「世界の〈生〉きるかた
ち」の第2回が、12日、府中市朝日町の同大キャンパス研究講義棟で開かれた。今回は
三尾裕子教授が「祖国はいずこに?−台湾の人々の生活と“中国”」と題して講義した。

 三尾教授は「台湾は、どういう地域か、どういう文化を持ったところか、全体像はあ
まり知られていない。個別具体的な事例を通し普遍性を探る文化人類学的立場から、台
湾のナショナリズムの問題を紹介したい」と講義の意図を話した。

 台湾は1971年に国際連合の議決で中国の代表権を喪失して以来、常に「中国の一部」
か否かが問われており、北京五輪聖火リレールートやパンダ寄贈などを巡っても、「中
国の国内扱い」を嫌う台湾当局と中国、あるいは国内でも「独立派」「(中国との)統
一派」で意見が割れてきたと紹介。

 三尾教授は、「45年に日本の植民地でなくなった時、台湾の人々は『同じ中国人同士
が政治の主人公になれる日が来た』と喜んだが、思い描いてきた理想の『祖国』とは違
ったところに、台湾の悲劇が始まった」と指摘した。その後、大陸で国民党と中国共産
党の内戦が始まり、台湾では外省人(戦後に大陸から移ってきた人々)が要職を押さえ
た政権が本省人(戦前から台湾に住んでいた人々)を弾圧した47年の「2・28事件」、
国民党独裁と続き、民主進歩党が結成された86年以降、徐々に民主化が進むという経緯
をたどった。その文化は、中国からの移民が多数を占める出自と、また「日本化教育50
年、中国化教育60年」が行われた背景から、「非中国」「内なる中国」の両面を抱えて
おり、昨今は先住民の権利や文化も尊重しつつ、多文化主義へ移行中という。

 三尾教授は、現在の台湾は統一も独立も選びかねる非常に悩ましい状況に置かれてい
るとし、「台湾の人々が、自分たちで自分たちの未来を選べる環境をどう作るかが重要。
そのために、私たちも台湾の人たちのことをよく知らないといけない」と締めくくった。

 出席者の中には、台湾生まれ、台湾育ちなど台湾に縁の深い人も少なくなく、1時間
半の講義中、熱心に聴き入る姿が見られた。東久留米市の主婦二宮喜代子さん(74)は
「アイデンティティーが何度も覆されてきたという台湾の人の悩みがわかり、勉強にな
った」と満足顔。日野市の無職鈴木与四雄さん(73)は「台湾の抱える問題に、日本が
深く影響を与えていたことを知って、複雑な気持ち」と神妙な顔で話した。

■次回は来月9日■ 

 連続市民講座は全10回で、来年2月まで(9月は2回、8、11月は休み)開催。毎回、
同大の教授または准教授が世界に息づく文化やそこに暮らす人々の「生」に関する世界
観を展開していく。参加無料(申し込み不要)。8回以上出席の受講者には修了証を発
行する。

 次回は6月9日午後1時30分から、栗田博之教授による「開かれる“未開”−ニュー
ギニアの地球社会化」。

問い合わせは同大企画広報課広報係(042・330・5150)。


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