兵庫県議会が中国による香港への国家安全法導入決定に適切な対応を求める意見書を可決

 兵庫県議会は6月定例議会最終日の6月17日に開いた本会議において、全会一致で「中華人民共和国全国人民代表大会における香港の国家安全に関する決定に適切な対応を求める意見書」を可決しました。

 これは、請願書の紹介議員となった「日台関係の緊密化を進める議員有志の会」代表幹事の和田有一朗・兵庫県議会議員が進めてきたもので、中国が国家安全法の香港への導入を決定したことに対し「ゆゆしき事態であり、決して看過することはできない」「 言論や集会の自由が失われることが懸念される」として、国に対し「他国とも連携して必要な働きかけを行うよう強く要望」する内容の意見書です。意見書は下記の通りです。

◆兵庫県議会:中華人民共和国全国人民代表大会における香港の国家安全に関する決定に適切な対応を求める 意見書(令和2年6月17日可決) https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/teireikai/r02/r2_349/ikensho/ikensho-36.html

 ご存じのように、兵庫県はこれまで中国との関係が密接で、県は広東省や海南省と都市間提携を結んでいて、神戸市は天津市、姫路市は山西省太原、尼崎市は遼寧省鞍山、明石市は江蘇省無錫、西宮市は浙江省紹興など、軒並み中国の各都市と友好都市を提携しています。

 このような兵庫県において、県議会は去る 3月25日、2月定例会最終日の本会議において「台湾のWHO年次総会オブザーバー参加を求める意見書」を全会一致で可決しました。このときも、和田議員などの活躍で可決し、今回は和田議員自身が紹介議員になっての可決です。

 中国による香港への国家安全法導入決定に対し、日本の地方議会が意見書を可決しているとは寡聞にして知りませんが、恐らく先駆的な意見書可決で、快挙と言っていいかと思います。

 中国は昨日(6月18日)、立法機関である全国人民代表大会常務委員会において、香港に導入する国家安全法の名称を「香港国家安全維持法」とし、草案の審議を始めたと報じられています。

 すでに米国と旧宗主国の英国、カナダ、オーストラリアの4カ国は「英中共同声明に反する」とする共同声明を発表し、日本やフランス、ドイツなど少なからぬ国が憂慮を表明しています。

 兵庫県議会に続き、多くの地方議会が同様の意見書を可決されるよう期待したいものです。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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