この佐竹知事の訪台には、秋田市や大館市、大仙市など8市町の首長ら約20人と、民間事業者代表など総勢49人のミッションだったという。
22日には、4月から一部運休している定期チャーター便を運航する遠東航空の本社を訪れて定期チャーター便の安定運航を求めたところ、遠東航空側が「11月以降、週2往復運航する」と応答したと、秋田県庁が26日になって明らかにした。地元紙の「秋田魁新報」が伝えているので下記に紹介したい。
産経新聞も、佐竹知事に同行していた穂積志(ほづみ・もとむ)秋田市長が28日、「11月から当初の計画通り、週2往復運航されることになった」と、正常運航に復することを明らかにしたと報じている。
やはり知事によるトップセールスの効果は大きい。定期チャーター便が正常運航することで、秋田と台湾の距離はグッと縮まる。
東北6県で台湾の定期便が就航しているのは青森、岩手、宮城の3県。定期チャーター便は秋田と福島の2県。山形はチャーター便となっているが、この10月には連続チャーター便が就航する予定だ。
秋田県も福島県も、次のステップである悲願の「台湾定期便の就航」に向け対策を急いでいるが、知恵の絞りどころだ。福島民友新聞は、福島県の内堀雅雄知事が8月27日の定例記者会見で「仙台、山形両空港を利用するインバウンド(訪日外国人客)の本県への誘客を強化する。両空港で国際定期便や連続チャーター便を就航するタイと台湾に的を絞り」ツアー参加者が福島県内に1泊するごとに5,000円を補助すると表明したという。
インバウンドもアウトバウンドも、鍵は「足」の確保であることは言うまでもない。アウトバウンドとして、台湾への修学旅行を積極的に後押ししているのが千葉県だ。秋田、福島、山形も対応しているようだが、さらに積極的に修学旅行など大人数が対象となる青少年交流を取り入れたいものだ。
旅行業界でいわれる「安・近・短」(安い、近い、短い日程)は台湾にこそ当てはまり、その上、「安全」が加わる。また日本の歴史も学ぶことができ、「安・安・近・短・学」が台湾だ。修学旅行には最適のところだ。
—————————————————————————————–秋田―台湾便、11月から週2往復 遠東航空側、知事に伝達【秋田魁新報:2019年8月27日】
遠東航空(台北市)が、4月から一部運休している秋田―台湾定期チャーター便を11月以降は計画通り週2往復運航する予定であることが26日分かった。県によると、同社の李梓煌総顧問が、観光トップセールスのため22日に訪問した佐竹敬久知事に伝えた。
同社には佐竹知事のほか、秋田市や大館市、大仙市など8市町の首長ら約20人が訪問。これから秋冬の観光シーズンを迎えるのに当たり、10月まで一部運休が決定している定期チャーター便の11月以降の確実な運航を求めた。
李総顧問は「3月の就航以降、週2往復を実現できず残念に思っていた。秋田への定期チャーター便を運航したいという気持ちに変わりはない。11月以降、週2往復運航する」と答えたという。
台湾との定期チャーター便は3月30日に就航。毎週火、土曜にそれぞれ1往復するはずだったが、フィリピンの空港で起きた脱輪トラブルやそれに伴う乗務員向け研修、台湾民航局からの運航制限措置により運休が相次いでいた。4〜10月の運休は計38往復となり、10月末までの運航計画の6割を占める。
県によると、8月20日までに運航した便の延べ利用者数は、秋田行きが1014人(搭乗率38・4%)、台湾行きが1030人(同43・2%)だった。
県観光文化スポーツ部の益子和秀・インバウンド推進統括監は「運休が相次ぎ思ったような実績が出せていなかったが、秋からの巻き返しに期待したい。定期チャーター便の運航には一定のアウトバウンドも必要。県民に台湾の魅力を伝えていきたい」と話した。
東北で台湾定期チャーター便が運航しているのは本県と福島。青森、岩手、宮城には定期便が就航している。