共和党も同じく、4年に1度の大統領選挙が行われる年の夏に全国大会を開く。両党の全国大会では党の基本方針で、今後4年間の党の方向性を示す政策綱領も決める。
前回(2016年7月)の民主党の政策綱領「外交・安全保障政策」では、オーストラリア、日本、ニュージーランド、フィリピン、韓国、そしてタイとの関係をさらに深めていくと謳い、中国に関しては、公平な貿易の慣例や為替操作、インターネットの検閲や侵害、サイバー攻撃に立ち向かうとしていた。
一方の共和党の全国大会では、政策綱領「国家の安全と防衛」において、「台湾関係法」を基礎に双方の関係を推進し、1982年に当時のレーガン政権が示した「6つの保証」を守り、台湾と中国どちらかが一方的に現状を変えようとする動きに反対すると定めた。政策綱領に「台湾に対する『6つの保証』」が入るのは初めてのことだった。
共和党も民主党も、政策綱領では台湾関係法の遵守を謳い、共和党は「台湾に対する『6つの保証』」まで入れたのだった。
この両党が全国大会の前年、すなわち今年8月に開催したのが全国委員会で、政策綱領を作成する役割を担っている。下記に紹介する中央通信社の記事で、共和党全国委員会は「今月2日の夏季集会で、台湾支持の決議案を採択」し、民主党も「サンフランシスコで開催した夏季集会で、台米関係のあり方を定めた『台湾関係法』制定40周年を記念した台湾支持の決議案を採択した」と報じている。
つまり、来年開催の全国大会では両党ともその政策綱領には「台湾支持」が入ることが事実上決まったことを示している。民主党は台湾の国際機関への参加を支持し「世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)およびその他の国際組織に有意義に参加できることへの支持」も打ち出したというから、来年採択される政策綱領にも必ずや入ってくるに違いない。
—————————————————————————————–米民主党、台湾の国際参加を支持する決議案採択 外交部が感謝【中央通信社:2019年8月26日】
(台北 26日 中央社)米民主党全国委員会は22〜24日にサンフランシスコで開催した夏季集会で、台米関係のあり方を定めた「台湾関係法」制定40周年を記念した台湾支持の決議案を採択した。外交部(外務省)は26日、報道資料で、歓迎と感謝を示した。
外交部によると決議案では、台湾の自由で開かれた社会と民主主義制度を評価し、台湾が世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)およびその他の国際組織に有意義に参加できることへの支持が示された。
米共和党全国委員会も今月2日の夏季集会で、台湾支持の決議案を採択していた。
外交部は、台湾関係法40周年の節目の年に米国の政権や国会、民主、共和両党など各界が具体的な行動で絶えず台湾への固い支持を示し、自由で開かれた民主主義社会を評価していることは、非常に前向きな意味があるとし、今後も引き続き米両党と密接に連携し、台米の友好的なパートナー関係を安定的に深化させていくとした。
(顧セン/編集:名切千絵)