2014年のご来日のときは北海道まで足を延ばし、千歳の亀田牧場で和牛の飼育状況を視察し、昨年の石垣島ご訪問のときも、有名な石垣牛の飼育状況などについてJA沖縄石垣支部の方々からお聞きし、A5ランクの石垣牛に舌鼓を打たれていました。
実は、台湾では牛を農業で使っていた記憶が未だ残っているため、これまで和牛飼育はあまり盛んでなかったそうです。しかし、農業経済を専門とする李元総統には何とか台湾で和牛飼育を盛んにして台湾の牧畜産業を発展させたいという強い思いを持たれていました。
そこで、自らが董事長をつとめる李登輝基金会において、日本の和牛の祖といわれる但馬牛(たじまうし)の血を引く台湾和牛「源興(げんこう)牛」を育成するに至ったそうです。下記に中央通信社の記事をご紹介します。
また、李登輝基金会のフェイスブックには、11月7日に李登輝元総統が曾文恵夫人を伴って花蓮市内にある兆豊源興牛牧場を訪れ、林聰賢・農業委員会主任(農水大臣に相当)などと台湾の牧畜産業における家畜飼育の将来と雇用機会の展望をテーマに座談会形式で話されたときの写真を3枚掲載しています。
◆李登輝基金会facebook:https://www.facebook.com 李前總統今(7)日於花蓮兆豐源興牛牧場,與農委會林主委,及國立花農畜産科老師同學,?官學 三方針對台灣畜牧産業未來發展前景和就業機會座談。
—————————————————————————————–李登輝元総統の夢、実現へ一歩 「台湾和牛」育種で成果【中央通信社:2017年11月7日】http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201711070003.aspx
(花蓮 7日 中央社)李登輝元総統は6日、自身が会長を務める「李登輝基金会」が肉用牛改良を行う東部・花蓮県内の農場を訪れ、和牛の血を引く台湾和牛「源興牛」の成長ぶりを視察した。生後4カ月になった4 頭の子牛は健康で、すくすく育っている。
源興牛は黒毛和牛の血統を持つ改良種で、李氏の生家「源興居」にちなんで命名された。
親牛となった黒毛和牛は、第2次世界大戦中に日本から持ち込まれたという牛の子孫。現在日本の天然記念物に指定されている「見島牛」の遺伝子を受け継いでいるとされる。台湾における和牛育成に心血を注ぐ李氏が、台北近郊の陽明山で見つけ、購入した。
李氏は農場で、日本から招いた牧畜の専門家と日本語で会話しながら牛たちの健康状態などを確認した。
複数の台湾メディアによると、12月には、李氏が農業経済学博士として執筆した源興牛の学術論文が日本の畜産専門誌に掲載される予定だという。
(盧太城/編集:塚越西穂)