目、3年連続の来日となった。
7月31日の講演会の翌日、李元総統は台湾から石垣島に移住してきた一世やその子供たちでつく
る琉球華僑総会八重山分会が開いた歓迎晩餐会に臨まれた。
実はこのとき、黄胤毓(こう・いんいく)監督のドキュメンタリー映画「海の彼方」のダイジェ
スト版が上映され、李総統が感慨深くご覧になっていた光景は今でも記憶に新しい。うっすらと涙
を浮かべながら真剣な表情でご覧になっていた。
歓迎会の会場には映画にも登場している玉木玉代さんもおり、台湾から石垣島に移住してきた
人々が苦難を乗り越え、石垣に溶け込んでいる様子を知り、とても嬉しそうだった。気分が高揚し
たのか「台湾万歳」や「沖縄万歳」とも発し、そのような李総統を拝見したのは初めてだった。途
中で台湾語を交え、声涙ともに下る話をされる場面もあった。
ドキュメンタリー映画「海の彼方」の試写会が石垣市内の「船蔵の里」で行われ、黄胤毓監督や
玉木玉代さんも出席したことを「琉球新報」が伝えている。下記に紹介したい。
ちなみに、昨年11月に実施した李登輝学校研修団では黄胤毓監督を講師に迎え、映画「海の彼
方」の上映会も行っている。心に沁みるいい映画だ。8月公開が待ち遠しい。
台湾移民描く「海の彼方」 石垣で試写会
【琉球新報:2017年5月27日】
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-503424.html
写真:試写会に出席した黄胤毓監督(右)と主人公の玉木玉代さん(左から2人目)、玉木さんの
次男の茂治さん(右から2人目)、次女の美枝子さん(中央)、三女の吉原美佐子さん=20
日、石垣市新川の船蔵の里
写真:台湾民謡「雨夜花」を披露する台湾彰化市の中山国民小学校の児童ら=20日、石垣市新川の
船蔵の里
【石垣】台湾から石垣島に移民として渡った女性とその子・孫にカメラを向けたドキュメンタ
リー映画「海の彼方」(黄胤毓監督)の試写会が20日、石垣市新川の船蔵の里で開かれた。関係者
ら約120人が来場し、歴史に翻弄(ほんろう)されながらも島で生き抜いてきた女性と、女性の人
生から自らのルーツを再認識していく子や孫の姿を真剣なまなざしで見詰めた。
台湾では既に公開されている。試写会には映画を教材として利用したことがきっかけとなり、修
学旅行で来島した台湾彰化市の中山国民小学校の児童16人や教員・保護者も訪れ、大浜中の生徒や
台湾にルーツを持つ子どもたちらと交流した。
映画の主人公は、戦後の混乱期に夫と共に石垣島に渡ってきた玉木玉代さん(88)。親族が集結
した玉木さんの米寿祝いや台湾の親族と再会するため子や孫と渡った「里帰り」の風景を切り取
り、玉木さんの歩んできた人生や、自身のルーツに揺れてきた移民2世となる子どもたち、ルーツ
を確認していく3世の姿を描いている。
中山国民小6年の荘艾琳(チョアンアイリン)さんは「石垣島には台湾からの移民がたくさんい
ることを知り、とても親しみを感じる。『海の彼方』は隠れた歴史を記録しており、見る価値があ
ると思う」と話した。
試写会後、玉木さんは「台湾の子どもたちが映画を見に来てくれたことは心に残る。うれしくて
言葉にならない」と感慨深げに話した。玉木さんの次男の茂治さん(60)は「この映画を見ること
で、自分たちのルーツを少しでも考えてもらいたい。ルーツをひもとくことで、なぜこの世に生ま
れたかが少しは分かるのではないか」と語った。
「海の彼方」は8月以降全国で上映される予定。石垣島では7月26日から5日間、先行上映される。