台湾の英雄 湯徳章のルーツ・宇土(宇土市「広報うと」2月号)

1947年に台湾で起きた2・28事件では、弁護士や医者、新聞人など前途有為の青年ら約3万人がな
んの罪もないまま蒋介石の国民党軍に虐殺されました。

 門田隆将氏が昨年12月、日台同時発売した『汝、ふたつの故国に殉ず ―台湾で「英雄」となっ
たある日本人の物語』(台湾版タイトルは『湯徳章 不該被遺忘的正義與勇氣』)は、日本人の父
と台湾人の母の間に生まれ、2・28事件で犠牲となった弁護士の湯徳章氏(日本名:坂井徳章)を
描いた力作で、本会でも取扱い図書としてご案内しています。

 この湯徳章の父の酒井徳蔵(さかい・とくぞう)の出身地は熊本県宇土(うと)市。このたび、
宇土市の「広報うと」2月号が『汝、ふたつの故国に殉ず』を大きく取り上げましたので、その全
文をご紹介します。

 なお、「広報うと」2月号では、元松茂樹(もとまつ・しげき)市長みずからも湯徳章について
「自らの命をかけて不正と戦い、多くの台湾人を救った」と記し、下記のように本書を推奨されて
います。

               ◇    ◇    ◇

 今回は皆さんにぜひ読んでいただきたい本を紹介いたします。ジャーナリスト門田隆将氏の著書
汝、ふたつの故国に殉ず』です。

 今月の「うと学だより」で詳しく紹介していますが、宇土出身の父と台湾人の母を持つ湯徳章
(日本名 坂井徳章)の物語です。

 宇土の血をひく青年が70年たった今でも、台湾で英雄として語り継がれていること。このこと
は、本市の誇りでもあり、多くの市民の皆さまにこの本を通じて知っていただければと思います。


台湾の英雄 湯徳章のルーツ・宇土
【熊本県宇土市「広報うと」:2017年2月号「温故知新─うと学だより」(第30回)】
http://www.city.uto.kumamoto.jp/q/aview/166/14410.html

 湯徳章(日本名 坂井徳章)という人物をご存じでしょうか。おそらく、彼の名前を知る人はほ
とんどいないでしょう。

 昨年末、作家の門田隆将(かどたりゅうしょう)さんが『汝、ふたつの故国に殉ず−台湾で「英
雄」となったある日本人の物語−』というノンフィクション作品を出版されました。日本人の父と
台湾人の母の間に生まれ、日本と中国という大国のはざまで激動の時代を生き抜き、「英雄」とし
て殉じた一人の青年弁護士・湯徳章の物語です。門田さんは著書の中で、徳章のルーツは宇土であ
ると書かれています。

 徳章の父・坂井徳蔵(とくぞう)は、明治8年(1875)に宇土町で生まれています。徳蔵の父・
坂井民治(たみじ)は、宇土本町で酒造業や蝋燭(ろうそく)の原料となる櫨(はぜ)の栽培など
手広く商売を行っていた宇土有数の資産家で、門内に屋敷を構えていました。民治は、明治22年に
行われた第1回の宇土町会議員選挙で当選し、明治25年にも再選を果たした名実ともに宇土町を代
表する名士でした。

 民治の長男である徳蔵は、家業を継がず、坂井家を二人の弟に託し、日清戦争の勝利により日本
が獲得した台湾に渡り、現地で警察官となりました。明治35年、徳蔵が27歳の時に台湾人女性の湯
玉(とうぎょく)と結婚し、5年後の明治40年に長男・徳章が誕生します。しかし、当時はまだ日
本人と台湾人の結婚は認められておらず、徳章は母の姓で育ちました。

 大正4年(1915)、徳蔵が勤務する警察派出所が現地の暴徒に襲撃された西来庵(せいらいあ
ん)事件で徳蔵は命を落とします。残された徳章は、父の志を継いで警察官になりましたが、昭和
14年(1939)に高等文官試験の勉強のため妻子とともに東京に向かいます。東京では、父・徳蔵の
弟にあたる坂井又蔵(またぞう)の世話になりながら、中央大学で法律を学び、当時最難関の国家
試験と言われた高等文官「司法科」と「行政科」(現在の司法試験と国家公務員総合職試験に相
当)に合格します。その後、昭和18年に台湾に戻り、台南(たいなん)市で弁護士として新たな人
生を歩み始めます。

 戦後、日本の統治下から離れた台湾には、中国・国民党軍が進駐します。国民党軍による1947年
の台湾弾圧事件(二・二八事件)以降、民主化を求める台湾人と国民党軍の対立は激化の一途をた
どります。当時、台南市の指導的立場にあった徳章は国民党軍に身柄を拘束され、厳しい拷問の
末、銃殺により命を落としました。徳章は自身の命と引き換えに多くの市民の命を救い、死の間際
には日本語で「台湾人万歳!」と大声で叫んで亡くなりました。

 現在、台南市では英雄・徳章の命日にあたる3月13日を「正義と勇気の日」に制定し、亡くなっ
た場所は「湯徳章紀念公園」と名付けられ、徳章の胸像が建てられています。


【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)の在庫がほとんど切れかかっています。お申し込みの受付は、卸元に在庫を確
 認してからご連絡しますので、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

●美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【随時受付】
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、1件につき1,000円(税込)を別途ご負担いただ
 きます。【2014年11月14日】

・奇美食品の「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」 2,910円+送料600円(共に税込、常温便)
 *同一先へお届けの場合、10箱まで600円

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」 4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 *同一先へお届けの場合、10枚まで700円

●書籍お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・門田隆将著『汝、ふたつの故国に殉ず』 *new
・北國新聞出版局編『回想の八田與一』 *new
・藤井厳喜著『トランプ革命で復活するアメリカ』*new
・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版) *new
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟─第四次産業革命は東アジアで爆発する
・李登輝著『熱誠憂国─日本人に伝えたいこと
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版)
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾
・片倉佳史著『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』
・李登輝著『新・台湾の主張
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

●台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム *第14号が入荷!
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

●映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『KANO 1931海の向こうの甲子園
・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』
・『父の初七日』

●講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:0110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。



投稿日

カテゴリー:

投稿者: