【台湾の反応】民主党の民進党への改称に不満の声

【台湾の反応】民主党の民進党への改称に不満の声

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓より転載
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■「民進党」への改名決定に親台派は反撥

台湾で五月、新政権を発足させる民主進歩党(民進党)。気付かない人は気付かないのだが、台湾や台湾人に親しみを持つ日本人の間では民進党シンパが実に多い。

きっと中国人勢力(国共両党)と対立してきた同党に、台湾に未来のために戦う勇敢な台湾人のイメージを抱いているのだろう。なかにはそれを神聖視する人すら少なくない。

そうしたことも手伝ったのだろう。民主党と維新の党が月十四日、両党の合流に当たって、新党名を「民進党」と決めたことに、ネット上で反撥の声が上がった。

毎日新聞によると民進党内部にも、この新党名に「戸惑いの声」があるそうだ。同党の「地方議員は『台湾の民主主義を勝ち取ってきた我々とは背景が違う気がする。あまりうれしくはない』と漏らした」のだとか。

実はこうした「声」こそ、日本の民進党シンパと共通するものではないか。

■軽薄で欺瞞に満ちた党名変更を批判

そして次の自民党の谷垣禎一幹事長のコメントなども、民進党シンパの思いを代弁しているようだ。

「台湾の政党とよく似た名前だというのが、第一の感じだ。どういうアイデンティティーを持って、日本の政治をどう引っ張っていく政党なのかにいちばん関心があるが、今回の合流は、政権末期にばらばらになった民主党が、もう一回大同団結しようという色彩が強く、それが『民進』ということばで表現されているかどうかがいちばん問題だ」と述べました」(NHK)。

要するに、名は体を表すとは言うが、党勢立て直しにだけに夢中で「体」(政治理念であるとか)を見せないのが民主党だということだ。

安易な大衆迎合主義で党名を公募し、自らの無能さを隠蔽しようとする軽薄で欺瞞に満ちた姿勢への不満や怒りも、新党名批判に結び附いたと思うのである。

■台湾メディア「二つの民進党の立場の差は大」

もっとも民進党自体はもちろん大人だから、例え不満があったとしても、民主党の新名称を批判するような非礼は見せないだろう。

同党の楊家?スポークスマンは、「民主党を含む日本の各政党とは良好な友好関係がある。今回民進党と似た名の友党が増え、親近感を覚える。祝意を表したい」と民主党にエール。その上で、「今後も日本の各政党間でより対話が進み、台日の友情が強化されることを期待する」と述べた。

国際社会での孤立を余儀なくされているのが台湾だ。民進党政権発足後、中国の台湾を孤立させる攻勢はさらに強化されるだろう。だからこそ民進党は一人でも多くの友を得ようと懸命のはず。上のコメントにも、そうした切実な思いが反映されてはいないだろうか。

一方、民進党に近い台湾本土派メディアの自由時報は、はっきりと「同じ『民進党』でも台日の立場の差は大きい」との見出しで速報している。

■台湾で紹介された日本の「反民主」の声

それによると、

―――日本の野党、民主党との維新党は先程、合併後の新名称を「民進党」と決めた。正に台湾の民主進歩党の略称と同じだが、しかしそれらの政党の立場は親中であるため、日本では多くのネットユーザーが批判している。

―――日本では中国への反感が広がり、親中の民主党も統制を失ってきた。そのため維新の党との合併を行うことになった。

―――ネット上では、名を変えても中身は変わらないと批判的。「台湾を混乱させる気か」「中共に従う民主党が台湾の政党名を盗み取った」「なぜ民主共産党と名乗らないのか」「国内と台湾を困惑させる」といった多くの声も見られる。

■台湾にも有害な中国迎合の体質

自由時報はすでに二月二十五日にも、「日本の民主党が民進党に改名か?」との記事で以下のように日本のネット上の書き込みを紹介していた。

―――台湾に失礼だ。中国もこの党名を見たら怒ると思う。

―――国民党であれば、たしかに台湾の国民党とは媚中程度が近い。(※当時は党名候補に「国民党」もあった)

つまり同紙は、民主党を批判する日本人の生の声を紹介することで、同党の中国迎合という、台湾にとっても有害な体質を国内に伝えようとしたのだろう。

■民主党では台湾の期待に応えられない

そうした思いはよく理解できる。

私自身もまた、日本人が間もなく発足する民進党政権の政策を通じ、「台湾は中国に帰属しない主権国家」「台湾は台湾人の国」という現状(まさに国民党が中国に迎合して曖昧にして来た現状!)への理解を深め、それが中国の脅威の前における日台関係の強化に繋がることを期待して来ただけに、今後日本人が抱く民進党の印象に、民主党の安易な改名の悪影響が及ぶのを懸念する一人だ。

問題は民主党が「民進党」への改名後、「台日の友情の強化」という民進党の期待に応えることができるかどうかだ。

たとえば同党の平和安全法制を廃止しようとの動きは、台湾の安全保障上の脅威ともなるものだが。


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