李登輝学校日本校友会 事務局 片木裕一
「中国台湾同色表記」は至るところで発生、とても手が回らない状況が続いています。
そんな中、時々私も記事を引用したり紹介している経済情報誌「週刊東洋経済」にも
存在していることに気づきました。
東洋経済は、中国・韓国・台湾の経済誌から記事を転載したり引用したりすることが
あるのですが、その振り分けや取り扱いはきわめて公正で、私の知る限り台湾を中国
の一部と掲載した記事はお目にかかっていません(中国側の発言には当然あるが)。
そして、中国の記事を紹介するページには4.5センチ平方の「中国動態」というロゴが
入っています。そのロゴはご覧のとおり赤い中国国土の上に黒の「中国動態」の文字
が乗り、赤と重なる部分は白に反転しているのですが・・・
「中国動態」の「態」の下、「心」の一番右側の点が白く反転していますね、ここが台湾!
もう何年も見ていながら、不覚にも今年の6月まで気付きませんでした。
早速東洋経済誌に「これは間違ってる、修正すべき」と申し入れ、以降の2ヶ月余りの
間に、2回押し問答をやり、先日「最終回答」の通知(電話)がありました。
東洋経済誌は「記事の内容には政治的主張が入らぬよう気を使っている、私どもも
台湾は中国の一部という認識はない」と言うのですが、「そう言っても、中国動態という
タイトルで台湾をあたかも領土のように扱っているのは、ある政治的主張に迎合して
いると解釈できる」で実質勝負は終り。しかも「修正するのに手間もお金もかからない
ですよね」には、「おそらく簡単なことだと思う」でした。他にもいろいろありますが、
省略します。そして出てきた「最終回答」は・・・
「これはイメージで作ったアイコン(ロゴ)であり、正確性とかが必要な地図や教科書とは
違う。そもそも軽微なことであり、わざわざ修正する必要はない」とのことでした。
軽微なことならば、チョイと直せば済むことですが、そうはならないところに、大きな圧力
があるのでしょう。従って今まで公正と思っていた内容も怪しいということになります。
残念ながら私の力不足で修正を取り付けられませんでしたが、これで長年付き合って
きた東洋経済誌とはおさらばすることとします。
週刊東洋経済「読者の手紙」 : tegami@toyokeizai.co.jp FAX : 03-3270-0159
103-8345 東京都中央区日本橋本石町1-2-1 東洋経済新報社『週刊東洋経済』編集部
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似たような事例が、13期生の齋藤さんからも寄せられています。
「8月18日の日経産業新聞16面「トヨタ、中国3強へ急加速」という記事で、「中国の乗用車
ブランドシェア」グラフ背景の中国地図に台湾が表示されていました。」とのこと。
この日から数日、東京ビックサイトに張り付き状態だったために、残念ながら修正申し入れ
はできませんでした。
とかく経済関係では、あまり意識することなく同色にしてしまう傾向があるようですので、地道
に「モグラ叩き」を継続していきたいと思います。
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