ゴールデンウイークにメイド喫茶に行ってきたという、
佐藤千枝さんによるレポートです。
女僕(メイド)喫茶
前に行った台北のメイド喫茶「Fatimaid」がどうやら引っ
越したらしい。アジアのメイド喫茶の同人誌に書いてあっ
た。どうやら地上に出たらしい。
さっそく台湾ヤフーの地図に「台北市鄭州路21巷4號
2樓」と入力すると市民大道沿いだ。市民大道の地下
街Y13出口から出て市民大道沿いのビルを見て回るが、
同人誌の写真にあった看板が見つからない。地図をよく
よく見ると道からちょっと入った中のほうを矢印が指してい
たから路地でもあるのかな?と地下街の出口に戻るように
角を曲がると、あった・・・・こんなんで解るか、ヤフー地図!
地下街の店と同じ秋葉原駅の看板とクラッシックな木製の
ドアの傍には、メイドさんイラスト看板があり、「歓迎光臨
ご主人様 私の心を受け取ってくださいませ」と書いてあ
る。黒板に「週一〜週四(月〜木) 正餐時段低消150
元 午茶時段 100元 営業時間13:30〜21:
00」と書いてある。来る前に見たホームページに「最
低消費為○○元」と書いてあった。現在13:45。最
低100元注文すればいいんだな。
ドアを開け木製の階段を登ると客は誰も居らず、メイドさん
2人がお喋りしてた。前に来たときに日本語の出来るメイ
ドさんがいたよね。
試しに日本語で「もう、オープンしてますか?」と聞くと、
「いらっしゃいませ。はい、大丈夫です。」と、テーブル
に案内してもらう。
窓際の席に座るとメニューを持ってきて、こちらが質問する
と、つかえながらも日本語で説明してくれた。メニューには
「萌セット・おたくセット」とか愉快なネーミング(痛いセット
もあったかも)。
よし、下午茶セットにしよう。サンドイッチは、コロッケサン
ド・ベーコンサンド・野菜サンド・トンカツサンドのうちベーコン
を選ぶ。ポテトはフライドポテトかマッシュドポテト。油物は
キツイからマッシュドポテトにしよう。飲み物は冷たいジュー
ス・コーラ等から紅茶までいろいろあるが、うーん、迷うなぁ。
「これは、台湾産の特別な紅茶です」とのお勧めを注文。
デザートはティラミスかチーズケーキ。
「このチーズケーキは焼いてありますか?」
「いえ、レアチーズです。」
レアチーズは苦手なんだよね。と言う事で、ティラミスを注文。
「お待たせしました。ご主人様」と、紅茶を運んできて、
「どうぞ ごゆっくり」と、去っていく。
今まで日本で飲んだリプトン紅茶と区別がつかんお茶を飲
みながら(私ごときに味の違いなんて…(T_T))じっくり監察す
ると、前は黒の長いスカートの正統派とえんじ色でミニス
カートのメイド服の子もいたが、今回はアキバ系のメイド
服ばかりだ。
私以外のお客も入ってきて(全員男性)、「お帰りなさいま
せ、ご主人様」と、メイドさんに迎えられる。どうみても学
生だが、今日は平日だぞ。学校はどうした!
そして、しばらくすると一部の客からの視線を感じる。女
性客が珍しいのか、それとも『もやしもん』(漫画)の
菌達が描いてあるTシャツを着ているからか?(上にデニ
ムシャツを羽織ってたから目立たないと思ってたんだが、
バレたか?)
窓はサッシだが、三つの上げ下げ窓(赤毛のアンの部屋の
窓と同じ)が並びオーガンジーの白いカーテンが。壁には
「睡蓮」やルノアールの美少女画が飾られている。
そして天井にはシャンデリア。店内はクラッシックの曲が流
れている。なぜか窓の上に額に入った「儀禮(礼)」
「順従」「心用」という書が飾られている。礼儀に従順
に用心だと思うが、台湾華語だとこうなのか?たぶんメイド
の心得なんだろうな。キッチンのほうには「いらっしゃいま
せ 営業中」に招き猫の絵が付いた幟もある。
格子の形のジャガイモを油で揚げた物が一辺11�皿に
大盛りになって運ばれてきた。・・・。マッシュドポテトって
茹でたジャガイモを潰した料理じゃなかったの!
注文を受けてから揚げたので、アツアツで美味。ケチャッ
プが入った小さな器も付いているが、塩が効いてるのでケ
チャップ無しでも美味しい。
次のサンドイッチは軽くフレンチトーストした3枚のパンにレ
タス+トマトとオムレツ+ベーコンが挟んである。食べ応え
があってこちらも美味。
プハー、ボリュームあるなぁ。やはりほとんどが男性客だ
からか?
メイドさんがケーキを持ってきた。あれ?レアチーズだ。
「あのぉ、ティラミスを頼んだと思うんですが・・・」
「スミマセン。」と、持ち帰り、暫くして、
「サッキハ マチガッテ スミマセンデシタ」
と、たどたどしい日本語と共にケーキを運んできてくれた。
可愛い! これが、萌えってヤツか?
男性オタクの騒ぐ気持がよく解る!
ケーキの皿にはチョコで店名とメイドさんのイラストが描い
てあって凝っている。
店長さんらしいメイドさんが台湾人記者から取材を受けて
いた。終ると、各テーブルのお客さんと軽くお喋りをして
いる。しばらくすると、私のテーブルにもやってきた。す
ごく上手な日本語で話しかけられたので、前にも地下街
の店に来た事があることを話し、ここの事は同人誌で知っ
たと、その本のコピーを見せると、「この人、知ってます」
とのこと。ちゃんと断わって取材したんだな。さっきから
堂々と店内の様子や食事内容などメモしまくってたから私
も断わっておかねば。
そういえば、窓の上の額の言葉ってメイドの心得なのかし
ら?と聞いたところ、禮義・従順・用心と書いてあるのだそ
うだ。そうか昔の日本と同じで横書きは右から左へ読むん
だ。礼儀と従順は解るとして用心って? すると
「ご主人様が寒いと思ったらすぐ暖かい服を出せるよう用
心します。」
なるほど、「気配り」ってことだね。
清算時、下午茶セット300元を50元玉6枚で支払っ
たら不思議そうな顔をされたので、「高雄で新幹線のキッ
プを自販機で買ったら、お釣りが大量の50元玉だったん
ですよ(笑)」と言ったら すぐ納得。
「いってらっしゃいませ。ご主人様」と、送り出してくれた
のであった。
台湾の声編集部 taiwannokoe@googlegroups.com