【ニュース】台湾とシンガポールの経済協定交渉開始へ
台湾の声
8月5日、台湾とシンガポールは、経済協力協定締結に向けた協議を始めるこ
とで合意したと発表した。
台湾の馬英九政権は6月末に中国との関税減免など自由貿易を促進する両岸経
済協力枠組協定(ECFA)に調印後、その他の国々と自由貿易協定(FTA)の締結を
進める方針を示していた。一方、中国は「一つの中国」原則に反する台湾のFTA締
結に反対を表明している。
台湾とシンガポールは陳水扁総統時代からFTAの交渉が進められていたが、中国
の反対で調印には至らなかった。今回の台湾の駐シンガポール台北代表処(大使
館)の発表は、FTAという用語は使わず、世界貿易機関(WTO)の枠組みの下、WTO
加盟名義の「台湾、澎湖、金門、馬祖個別関税領域」(略称:中華台北)として
シンガポールと経済協力協定の交渉を行うことに合意したとしており、FTAや「中
華民国」という名称を避けつつ自由貿易協定に近い中身を目指すとみられる。
台湾が各国とFTAもしくはそれに近い協定を結ぶことは、台湾経済の中国依存が
緩和されることにつながる。日本は中国との経済的交渉を有利に進めるためにも
先に台湾とのFTAの協議を始めるべきではないか。