昨19日、日本李登輝友の会神奈川県支部(略称:神奈川李登輝友の会)の設立大会が横
浜市内にて開かれました。新潟県支部を嚆矢として設立された本会支部は、この神奈川県
支部で9番目となります。
支部長には、本会理事で石川台湾問題研究所代表や高座日台交流の会事務局長をつとめ
る元大和市議会議長の石川公弘氏、事務局長には台湾研究フォーラム運営委員で日台鉄路
愛好会代表の佐藤雅彦氏が選出されました。
設立大会には本部から片木裕一理事(事務局次長)が小田村四郎会長の祝辞を持参して
駆けつけ、代読しました。また、大会では全国初となる「高砂義勇隊慰霊碑の撤去に反対
する決議」が満場一致で採択されましたので、大会の模様を伝える神奈川県担当の片木理
事の報告とともに併せてご紹介します。
なお、本会支部の連絡先につきましてはホームページに掲載していますので、そちらを
ご参照ください。 (編集部)
期待度が高い神奈川李登輝友の会の活躍
理事・事務局次長 片木裕一
1.スムーズだった神奈川県支部設立総会
170人余という東京に次いで多くの会員を有する神奈川県で、この日、「日本李登輝友の
会神奈川県支部」が発足した。会場はJR石川町駅から徒歩5分の神奈川県労働プラザ(
通称Lプラザ)の4階・第3会議室。会場定員が最大72名ということなので、神奈川県の
会員以外には事前通知をしていなかったが、開場時刻である14時にはすでに30人余り、14
時30分の開始時点では64人(後ほど阮美[女朱]さん一行が入場、67人)となった。
定刻に司会の佐藤雅彦氏が開会を宣言、最初に小田村四郎・日本李登輝友の会会長の祝
辞が片木の代読にて披露された。代読終了後、期せずして開場は拍手の嵐となった。
続いて石川公弘・設立準備委員長から、昨年7月の講演会から今回の神奈川県支部発足
に至る経緯が説明された。説明の中、「私は1月22日の準備会には風邪をひいて欠席してし
まったが、かえっていい規約や役員の案ができたと思う」と述べ、会場は和んだ。ここか
ら設立大会の審議事項に入る。
まずは池本好伸・設立準備副委員長から事前に出席者に配られた「日本李登輝友の会神
奈川県支部規約(案)」についての説明があり、審議に入る。質問・改善提案は若干あっ
たものの、総じて変更になるようなこともなく、ひと段落ついたところで「拍手にてご賛
同をお願いします」となり、満場の拍手にて承認された。
次に支部役員の選出で、司会の佐藤雅彦氏より、これも事前に配られた「役員(案)」
に沿って候補者が紹介され、こちらも満場の拍手にて承認された。
早速、神奈川県支部長に就任した石川公弘氏から就任の挨拶があり、「李登輝前総統の
理念に沿って、日台共栄に努力しましょう」と締めくくられた。また、副支部長に就任し
た池本好伸氏・遠藤正弘氏・野村勝美氏が今後の活動などについて挨拶された。
これにて設立総会は終了、時刻は15時10分。
予定時刻より30分も早く進んだので、その分、ゲストで台湾から来日中の阮美[女朱]さ
んの時間が多くとれることになり、挨拶だけでなく2・28事件に関するミニ講演となった(
阮さんは22日、18時30分から文京シビックセンター4階にて講演会の予定であることを、
懇親会の席上伝えられた)。
小休止の後、林建良さんの記念講演。題目は「李登輝理念とは何か」というもので、日
台共栄・真実自然・誠実・国造り、の4点から解説された。
なお冒頭、ここ数日話題になっている「高砂義勇隊紀念碑撤去騒動」に触れ、いかに中
国人が日本人を嫌っているか、いかに国民党が日台のつながりの歴史を抹消しようとして
いるか、などについても述べた。
2.懇親会で「高砂義勇隊慰霊碑の撤去に反対する決議」を満場一致で採択
17時より会場を9階の食堂に移して懇親会。総会だけという方もいるが、懇親会だけとい
う方もいるので、参加者は60人を越えた。
まず司会の羽田野直樹事務局次長より改めて役員の紹介があり、懇親会から参加の横浜
弁事処・謝部長も紹介される。酒井麻雄顧問の力強い乾杯にて開宴。
中盤、改めて阮美[女朱]さんが登場、近況を述べられ、後半、昨日台湾から帰国した池
本好伸副会長から高砂義勇隊慰霊碑の現状報告があり、続いて「高砂義勇隊慰霊碑の撤去
に反対する決議」が満場一致で採択された。
最後に、佐藤雅彦事務局長による「日台共栄万歳」の三唱にてお開きとなった。
このような行動的な神奈川李登輝友の会に対する期待度は高く、今後の活躍が楽しみで
ある。
祝 辞
ご列席の皆様、本年は、私ども日本李登輝友の会の目的の一つに掲げる李登輝前総統の
「奥の細道」散策が実現されようとしている大事な年です。そのご来日を今春に控えた本
日、日本李登輝友の会神奈川県支部の設立大会が開催されますことを心からお祝い申し上
げます。
本来なら会長である私自身も出席して、全国で第九番目となる支部発足をお祝いしたか
ったのですが、生憎所要のため叶わず書面をもってご挨拶申し上げる次第です。
本会の使命は李登輝前総統の透徹した日台運命共同体理念に共鳴し、その速やかな実現
と両国の鞏固な結合を図ることにあります。
そのためには二つの条件が考えられ、第一は、我が国が台湾を正統な独立主権国家とし
て認知し、正規の国交を回復し、台湾の国際社会への復帰を支援することです。また、第
二の条件は、台湾国民が台湾人としてのアイデンティティを確立することです。李登輝前
総統はかねてからこれを繰り返し主張し、台湾正名運動として取り組んで来られました。
私どもは李登輝氏のこの活動をできるだけ支援し、日台交流の一層の緊密化を図っていき
たいと思います。
このような趣旨に基づく本会ですので、支部の中で最大の会員数を誇る神奈川県支部に
おかれましては、日台共栄のために力を尽くされることを確信するとともに、今後のご活
躍を大いに期待しております。
最後になりましたが、設立大会のご成功ならびに皆様のご健勝を心からお祈り申し上げ
ます。
平成十八年二月十九日
日本李登輝友の会会長 小田村四郎
平成18年(2006年)2月19日
高砂義勇隊慰霊碑の撤去に反対する決議
日本李登輝友の会神奈川県支部
私たちはこの度、衝撃的なニュースを耳にした。台北県が、最近再建されたばかりの「
高砂義勇隊慰霊碑」の用地提供を取り消し、その撤去を命令したということである。
私たち日本李登輝友の会神奈川県支部は、以下の理由からその撤去に反対し、台北県が
本問題を再考するよう強く要求して、本神奈川県支部大会の決議とする。
記
1 近代法治国家において、公権力が一度許可したものは、公権力を担う政党が(民進党
から国民党へ)変わっても取消しえないものである。
2 高砂義勇隊は厳然たる歴史の事実であり、その慰霊は人間としてごく自然の行為であ
る。それを現在時点の考えで、裏切り者扱いするのは、過去の歴史も書き換えられると
いう、人間の勝手な解釈であり、驕った考え方である。
3 多くの者の、国境を越えた深い哀悼の気持ちと善意で建設された慰霊碑が、公権力の
一方的な決定によって撤去されるのは、国際的儀礼の上からも、好ましいことではない。
以上