日本李登輝友の会の支部は、平成15年4月に設立された新潟県支部を嚆矢として、今年9
月2日に設立された兵庫県支部で16番目となる。秋田県と岐阜県には支部設立準備会がす
でにできていて、今年中に設立される見込みである。
そこで、支部活動のあり方などを検討するため、去る10月20日から23日にかけ、台湾
・台北市内の圓山大飯店において、本会の「第1回全国支部長会議」を開催した。
初日の20日夕刻は、邱碧玉・黄崑虎・李登輝之友会全国総会長夫人がプロデュースす
る台湾歌劇「台湾[口阿]」を鑑賞。翌21日は、前高雄市長・葉菊蘭さんも参加した台
湾李友会主催の植樹式に参加。22日が全国支部長会議だ。
11月1日付で発行する機関誌『日台共栄』11月号に、冨澤次長がその模様をレポートし
ているので抜粋して紹介したい。
また、この会議では、台湾政府に対して、「台北駐日経済文化代表処」の名称を「台
湾駐日代表処」へ正名改称することや、「外国人登録証明書や運転免許証の国籍表記」、
「日本人住民票の地名表記」、「地図表記」、「台北駐日経済文化代表処の名称」など
の問題を早急に解決すべく、日本政府への正式にして速やかなる申し入れを行うことを
盛り込んだ「正名運動に関する台湾政府への要望決議」も採択し、記者会見を開いて発
表した。いささか長くなるので、中文訳とともに別項でご紹介したい。
なお、この全国支部長会議の模様は、写真とともにホームページでも掲載しています。
また、支部の連絡先などを記した「支部一覧」も、「入会」欄の「支部のご紹介」に掲
載していますのでご参照ください。 (編集部)
■日本李登輝友の会ホームページ:http://www.ritouki.jp/
全国支部長会議IN台湾─李前総統臨席の下に初の全国支部長会議
日本李登輝友の会事務局次長 冨澤 賢公
当会設立以来初となる全国支部長会議が、李登輝前総統、黄崑虎・台湾李登輝之友会
総会長ご臨席の下、10月20日から23日にかけて、台湾・台北市内の圓山大飯店を会場に
開催された。小田村四郎会長ご夫妻、10支部の支部長をはじめとする支部役員及び本部
事務局員、オブザーバーとして李登輝学校日本校友会会員など、総勢40名が参加した。
22日午前9時、いよいよ本番の全国支部長会議が圓山大飯店10階の松柏の間を会場に、
片木裕一事務局次長の議長により開会。小田村会長の開会の挨拶に始まり、まず永山英
樹事務局次長と早川友久事務局員による当会の活動報告、その後に各支部の活動報告が
行われたが、会員数拡大の困難性や資金の問題等、悩みは共通していることを再認識す
る場ともなった。
昼食を挟み、午後2時より今後の活動方針を発表。「正名運動の経過と推進」に関して、
外登証問題と地図表記問題について実際の住民票、地図、パスポートのコピー資料を参
考に討議された。続いて「正名運動に関する台湾政府への要望決議案」について討議。
伊藤栄三郎・新潟県支部名誉顧問の談話や各支部からの提案もあり、和気藹々とした中
にも真剣な討議を経て決議案を採択。その後、台湾と日本のメディア数社が取材する中、
記者会見を行って決議文を発表し、無事、第1回全国支部長会議は閉会となった。
しばしの休息をはさみ、5時10分過ぎに李登輝前総統が入場、30分のご講話をいただい
た。
まず先般の訪日に際しての当会の協力、とりわけ東北各支部の歓迎に対して謝意を表
明。続いて、国連加盟問題や台湾人意識について触れ、「来年の立法委員と総統選挙の
結果いかんによって台湾は10年前に戻る、危急存亡の危機」と訴えられた。また、日本
における住民票表記問題について、支部長会議の論点になったことは素晴らしい着眼点
だと評された。さらに、台湾の国内問題である正名・制憲を柱とした社会の安全を「二
極化」「格差」「高齢化」の観点から論評し、関連して11月に台北で開催される群策会
主催(日本側窓口は当会)の日台有識者による「格差是正と社会保障シンポジウム」へ
の参加を求められた。
熱のこもった講話の後、校友会員の伊藤英樹氏、川村純彦・千葉県支部長の質疑にも
丁寧に応答された。
その後、別室にて当会主催の答礼晩餐会が行われた。小田村会長や老台北こと蔡焜燦
氏の挨拶に続き、いつも周到な段取りで奮闘される台湾李友会執行長の蔡淑美さんに当
会から花束を贈呈、黄昭堂先生の軽妙な語り口での乾杯の音頭で開糧となった。
黄昆輝・台湾団結聯盟主席、李登輝学校でおなじみの黄天麟先生や張炎憲先生も参加
する晩餐会も佳境に入ったところで、突然「千の風になって」の大合唱が始まった。李
登輝先生や曽文惠夫人の歌声を聞けるのもこの会あってのもの、貴重な一場面だった。3
時間に及ぶ晩餐会も、黄総会長の挨拶で名残を惜しみつつもお開きとなった。
今回の収穫はなんと言っても初めての全国支部長会議を台湾で開催したことである。
今後、台湾側との信頼関係を継続させるためにも有意義な事業であったが、台湾側にと
っても益するところ大だったようだ。訪問団員にとっても満足のいく会議であった。