対中『外交休戦』あだ? 台湾 対外交流計画ストップ

【9月9日 東京新聞】

 【台北=栗田秀之】台湾の馬英九総統が対中融和の一環として打ち出した中国との「外
交休戦」が波紋を広げている。台湾メディアは、この方針の影響でアフリカや太平洋諸
国との交流計画がストップしていると報道。野党民進党は「馬政権の中国傾斜で、友好
国は台湾支持の理由を失った」と警告している。

 台湾が正式な外交関係を持つ国はアフリカや中南米、太平洋の小国など二十三カ国。
いずれも中国とは国交がない。中国は、独立志向が強かった陳水扁前政権を国際的に孤
立させるため切り崩しを図り、台湾は必死の防戦を展開してきた。

 馬政権は外交関係を中国と奪い合う状態を「休戦」すると提唱、対中融和を積極的に
進めている。台湾メディアによると、台湾の友好国は中台の改善が進めば、台湾を支援
する必要がなくなるとして様子見の状態という。

 民進党政権時代の昨年、台北でスワジランドやブルキナファソなどアフリカ五カ国と
初の首脳会議が開かれ、外交関係を持たない諸国を含めた交流団体の設置構想が浮上。
太平洋諸国との間でも交流フォーラムが設置されたが、馬政権発足後は進展がみられな
い。

 台湾外交部は「構想自体詳しく議論されていないのと、費用対効果の面で設立を見送
っている。『外交休戦』とは関係ない」としているが民進党は「前政権の外交努力が無
駄になった」と批判している。


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