台北市日本工商会が馬英九政権に日系企業団体として初の政策提言

台湾政府からの提言で実現

日本工商会が初の白書、政府に要望提出
【9月18日 NNA】http://news.nna.jp/free/news/20080918twd002A.html

 在台北日系企業で組織する台北市日本工商会(会員企業数420社)は17日、台湾政府
に対して日系企業の要望、意見をまとめ提出した。自由貿易協定(FTA)締結の推進
といった経済全般的な問題から、通関改善など個別企業の要望まで、幅広く盛り込んだ。
同様の意見提出は欧米の企業団体が「白書」としてまとめる形で毎年行っているが、日
本工商会としては今回が初の試みとなる。【榊原健】

 日本工商会がまとめた要望書「台湾政府政策に対する台北市日本工商会の要望」(日
本語、中国語併記、全88ページ)では、同会や日系企業が求める政策を▼主要要望事項
▼会員から提起された要望事項▼継続的な要望事項──に分類している。

 主要要望事項では中台関係の安定といった政治的内容や、FTA締結推進など経済政
策について提起している。会員企業からの要望では、ビザ取得要件の緩和や密輸品の取
り締まり強化、自動車産業に対する支援が盛り込まれ、日系企業が台湾ビジネスで直面
している問題点が浮き彫りになる内容となっている。継続的な政策としては、フラット
パネルディスプレー(FPD)モニターの関税分類変更や日本産牛肉の輸入再開などが
挙げられた。

 この要望書は、台北市内のホテルで17日に開かれた日本工商会と経済部の「政策提言
交流会」で提出された。

 会合では、行政院経済建設委員会(経建会)の陳添枝主任委員が新政権のインフラ投
資計画「愛台12建設」の概要を説明したほか、経済部の尹啓銘部長がアジアにおける台
湾の経済的役割について講演。蕭万長副総統も開会の挨拶に駆けつけた。

 日本工商会側は坂井賢司理事長(台湾新力国際董事長兼総経理)が台湾における日系
企業の位置付けなどの基調講演を行い、要望書を尹部長に手渡した。

 このような要望書は、米系企業団体の台北米国商会、欧州系団体の欧州商会が定期的
に「白書」として台湾政府へ提出している。日本工商会もこれまでに知的財産権問題な
ど個々に意見を提出したことはあったが、今回のような形で幅広く要望をまとめるのは
初めてのケース。同会では今後も毎年、要望書提出を続けて行く方針だ。

 今回の要望提出は、馬英九政権発足後の5月下旬、台湾政府側から持ちかけられて実
現した。経済部から「欧米の企業団体と同様に日系企業団体も意見を出してみては」と
の提案があったもので、新政権が対日経済関係に関心を示す姿勢が見て取れる。なお本
来は6月に会合を開く予定だったが、尖閣諸島問題の発生により延期された。



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