とする動きが出てくる。それも、香港やマカオなどの活動家とともに上陸を目的としてい
るのだという。
思い出したいのは、この「中華保釣協会」が発足した昨年11月9日、馬英九総統が「和
衷共済」(心を合わせ、共に助け合う)と大書した掛け軸を贈っていたことだ。馬総統の
側近は「不適切だった」と反省したというが、しかし、馬総統自身が「尖閣は中華民国の
領土」という主張に変わりはないと言い続け、尖閣諸島の領有をめぐって反日活動を容認
煽動している限り、いかに「領土問題は棚上げしよう」と言い、今年を「台日特別パート
ナー関係促進年」と揚言しようとも、衣の下に鎧が透けて見える。日本人が馬英九政権へ
の警戒感を解くことはない。
昨年12月8日、中国の海洋調査船2隻が尖閣諸島の魚釣島周辺に侵入、調査活動をするこ
となく9時間も航行したことがあった。これについて中国は、昨日になって「『実際の行
動で中国の立場を示した』と述べ、中国の主権を主張することが目的だったことを明らか
にした」(共同通信)という。
中国と台湾の中国人反日活動家が連動し、馬英九政権がそれを黙認、つまりバックアッ
プしている構図が浮かび上がる。馬総統が日台関係を「特別」と位置付けるなら、尖閣諸
島がなぜ日本の領土であるのか、李登輝元総統のように歴史を真摯に見つめるべきだ。
(編集部)
尖閣諸島:台湾の民間団体、上陸を計画 領有主張で5月に
【2月18日 毎日新聞】
【台北・庄司哲也】尖閣諸島(台湾名・釣魚台)の台湾の領有権を主張する団体「中華
保釣協会」は17日、今年5月に尖閣諸島への上陸を計画していることを明らかにした。毎
日新聞の取材に対し、同協会の黄錫麟・総幹事は「日本の海上保安庁が巡視船での監視活
動を強化していると聞く。これに対抗するためにも計画を進めたい」と述べた。
同協会は昨年11月に発足し、毎年1回の尖閣諸島への船による出航を活動方針に掲げて
いた。尖閣諸島をめぐっては昨年6月に、台湾の遊漁船が日本の巡視船と接触し沈没した
事故への抗議のため、台湾の活動家が抗議船を仕立て日本の領海内に侵入、日台関係が
一時、ぎくしゃくした。