八田技師の大きさ実感 金沢・花園小児童 台湾総統府を見学

【5月8日 北國新聞】http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20090508101.htm

 【台南県7日=宮本南吉】日本統治時代の台湾で水利事業に尽くした八田與一(よい
ち)技師の出身地、金沢市花園校下の訪問団(北國新聞社特別協力)は七日、台北市内で
総統(大統領)官邸である台湾総統府を見学した。展示の中に八田技師の銅像の写真を見
つけた花園小の六年生児童は「大先輩である八田さんの写真があってうれしい」と笑顔を
見せた。

 児童たちが総統府の中へ入り、台湾の歴史を解説するさまざまな展示を眺めていると、
その一画に八田技師が作業着姿で地面に座る銅像と、技師が心血を注いだ烏山頭ダムの写
真があった。北川佳亮君は「総統が仕事をする場所に写真が飾ってあるということは、八
田さんがそれだけ大きな仕事をしたということだと思う」と話した。

 この後、花園校下の訪問団と「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」(金沢市)の一行
は台北市内のホテルで李登輝元総統の日本人秘書、小栗山雪枝さんと面会。李氏は軽い肺
炎のため療養中で、児童の代表が回復を願う千羽鶴を小栗山さんに手渡した。李氏は来月
上旬、「奥の細道」をたどる旅で石川県を訪問予定で、小栗山さんは「十日くらい同じ薬
を飲めば治るとお医者さまから言われています」と述べた。

 一行は午後、台北から台湾高鉄(新幹線)で烏山頭ダムのある台南県へ移動。新幹線を
下車し、駅から宿舎へバスで向かう途中、車窓から同ダムが潤す嘉南平原が見えた。児童
たちは「緑でいっぱいで、昔は荒れ地だったとは思えない。八田さんはやっぱりすごい」
と先輩の成し遂げた仕事の大きさを実感した様子だった。

 児童は八日、烏山頭ダムのほとりで営まれる八田技師夫妻の墓前祭で技師の賛歌「嗚呼
! フォルモサ ダムの父」を合唱する。馬英九総統も参列する予定となっている。



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