NHKが平成21(2009)年4月5日夜に放送した「NHKスペシャル シリーズ JAPA
Nデビュー・第1回“アジアの一等国”」は、日本統治時代に日本がいかに台湾人を差別し
弾圧したかを描き、多くの識者から内容の偏向と共に「やらせ」や「捏造」などの恣意的
編集が指弾され、損害賠償を求める裁判も起こされています。
裁判の原告は本会の小田村四郎会長や番組に出演したパイワン族の高許月妹さんなど1万
355人にも及び日本裁判史上最大の原告数となっています。
裁判の弁護団には約30人の弁護士が名を連ね、南京裁判などで著名な高池勝彦(たかい
け・かつひこ)弁護士が団長となり、荒木田修、尾崎幸廣、勝俣幸洋、田中禎人、溝呂木
雄浩、山口達視の各弁護士が協議を重ね、毎回、裁判に出席しており、昨年2月15日に第1
回公判が開かれて以来、次回で第10回目を迎えます。
裁判も大詰めを迎えていますが、ここにきてあの「日台戦争」なる用語を用いたとされ
る中京大学の檜山幸夫(ひやま・ゆきお)教授が私ども原告側の証人を承諾しました。
檜山氏は現在、中京大学社会科学研究所長をつとめ、台湾史研究センター長も兼任、本
誌ではすでに、檜山氏が昨年の春に出版した『明石元二郎関係資料』という本の中で、N
HKのこの番組を「犯罪性」という言葉を使って5つの観点から徹底的に批判していたこと
や、またNHKが檜山氏の承諾をえないまま勝手に名前を掲載していたことも紹介してい
ます(7月19日発行:第1364号 下記参照)。
弁護団は檜山氏の『明石元二郎関係資料』を証拠申請しており、檜山氏の見解として、
被告NHKが檜山教授の創造した「日台戦争」の用語を誤用して伝えていること、同氏の
抗議に対してNHKが誠意を持って対応しなかったこと、NHKの取材方法に誤りがある
ことなどを確認、11月中旬に人証申請を東京地裁に提出しています。
また、本会の柚原正敬(ゆはら・まさたか)事務局長は、NHKがパイワン族の高許月
妹さんや通訳の陳清福氏に取材したときの模様を、担当した島田雄介ディレクターが「陳
述書」として提出、その中で原告高許月妹さんの日本語の理解力と会話の能力について
「能力が十分ある」と強調していることに対して、高許月妹さんへの聞き取り調査を基に
反論の「陳述書」を提出しました。下記にご紹介します。
なお、裁判を傍聴される方は、9時50分くらいまでに103号法廷に入っていただきますよ
うお願いします。東京地裁に入るには金属探知機を通る以外の検査はなく、身分証明書な
ども必要ないことを申し添えます。
◆NHKの「JAPANデビュー」を「犯罪性」と呼んで徹底批判していた檜山幸夫教授
http://melma.com/backnumber_100557_5240485/
NHK「JAPANデビュー」裁判 第10回公判
◆日 時:平成23年10月9日(金)午前10時開廷
◆場 所:東京地方裁判所 103号法廷