回で9回目を迎え、大賞は『台湾万葉集』を通して感じた台湾と日本の共通する文化への思
いなどをつづった作文「未来」の沼野井万希子さん(大田原市立野崎中3年)が受賞した。
審査委員長は社会貢献支援財団会長で評論家の日下公人氏、審査員は漫画家のさかもと
未明さんや自由時報東京特派員の張茂森氏など。
大賞、優秀賞、審査委員長特別賞受賞者は3月末から5泊6日の台湾研修旅行に招待され、
李登輝元総統や蔡焜燦先生などともお会いする予定となっていて、李元総統も蔡先生も、
青少年スカラシップの子供たちが訪ねてくるのを心待ちにしている。下記に受賞のニュー
スを2つご紹介したい。
このような事業を毎年続けるのは大変な資力と労力を要する。しかし、日台関係を担う
青少年がこのスカラシップ事業を通じて必ず育ってくることを確信している。
大賞は沼野井さん「未来へ」 日台文化交流 青少年スカラシップ受賞作決定
【サンケイビジネスアイ:2012年2月14日】
日本と台湾の若い世代の相互理解と交流を目的にした「第9回日台文化交流 青少年スカ
ラシップ」(主催=フジサンケイビジネスアイ、産経新聞社、共催=台湾・行政院新聞
局、台北駐日経済文化代表処、特別協賛=アパホテル、東海旅客鉄道、協賛=ケン・コー
ポレーション、全日本空輸、エバー航空日本支社、三井物産)の受賞作品が決まった。大
賞には大田原市立野崎中3年、沼野井万希子さんの作文「未来へ」が輝いた。優秀賞には東
京大大学院2年、佐野裕太さんら15人、審査委員長特別賞に武蔵野女子学院高3年、森住智
亜美さんが選ばれた。
中学、高校、大学生から作文や書道、絵画1169点の応募があった。表彰式は3月26日に東
京の台北駐日経済文化代表処で行われる。大賞、優秀賞、審査委員長特別賞受賞者は台湾
研修旅行に招待される。
受賞者は次の通り。カッコ内は学校名、敬称略。
【大賞】沼野井万希子(大田原市立野崎中3年)
【審査委員長特別賞】森住智亜美(武蔵野女子学院高3年)
【優秀賞】◇作文=星結衣(福島県立郡山東高1年)▽浦崎笑子(高水高2年)▽田中幸二
郎(福岡教育大2年)▽田代真久(明治大3年)▽立川麗華(東京女子大4年)▽佐野裕太
(東京大大学院2年)
◇絵画=磯兼由梨奈(明治大付属明治中3年)▽亀澤明穂(鹿児島県立松陽高2年)
◇書道=工藤渚(板柳町立板柳中3年)▽常田真葵音(弘前大教育学部附属中3年)▽副島
晴乃(福岡県立太宰府高2年)▽内藤真梨子(福岡県立太宰府高2年)▽早川真由(日本大
東北高2年)▽山鹿かすみ(埼玉県立川口高2年)▽山田千鶴(佐賀県立佐賀北高3年)
青少年スカラシップ受賞作 台湾万葉集の不思議とすばらしさ 沼野井万希子さん
【サンケイビジネスアイ:2012年2月14日】
中学生では2人目となる大賞を射とめた。中学に入学してから毎年応募し、1年生では奨
励賞を受賞、昨年も佳作に入った。今年は高校受験を控え、「書き上げることができる
か…」と戸惑いもあったが、締め切りギリギリに書き終えた。大賞の知らせを受けたとき
は、「とてもうれしかった。わき上がってくるようなうれしさだった」という。
「未来へ」と題した作文では、歌集「台湾万葉集」の短歌を通して感じた台湾と日本の
共通する文化への思いなどをつづった。
「初めて新聞で短歌を目にしたときは、何で台湾に短歌が…と不思議だった。重いテーマ
で胸に刺さるような歌もあったが、何より日本の文化が異国の地で継承され、今も台湾の
人々の身近にあるのがすばらしいと思った」
将来の夢は作家。もちろん、得意科目は国語だという。「大賞をいただき、少しだけ自
信をもらった。受験を終えたら勉強し、文化を生み出せるような小説家になれるように頑
張りたい」と笑顔をのぞかせた。(伊沢利幸)